就労移行支援事業所の卒業生としてスピーチをして分かったこと・伝えたいこと

発達障害_スピーチ

先日、今の職場に就職する前に、約9ヶ月間通っていた就労移行支援事業所の記念イベントに卒業生代表として参加してきました。

そこで私は「私たちのこれまでとこれから」というテーマで、私を含む卒業生2名と就労移行支援事業所に通っている在籍者4名と共にスピーチをしました。

発達障害者としてスピーチを行うなんて、驚き&新鮮でした。

今回、私が卒業生としてスピーチをして分かったこと・伝えたいことを綴っていきたいと思います。

初めての障害者や福祉関係者の前でのスピーチ

決意_後ろ姿8月下旬に、以前通っていた就労移行支援事業所から「卒業生代表として福祉関係者や在籍者の皆さんの前でスピーチをしてほしい」という電話がありました。

私は以前から「いつか、障害を持っている人や自分と同じ境遇の人たちに勇気や希望を与える存在になりたい」と思っていたため、「その夢が叶うチャンスが巡ってきた」と思い、スピーチに参加することを決意。

今回の決断に全くの迷いはありませんでした。

原稿を作成し、就労移行支援事業所の職員の方に添削してもらったところ、1回の修正のみでOKが出ました。

クラウドソーシングでの記事作成の経験がいかせたことを、心から嬉しく思いました。

今回はこの記事に、そのときの原稿を載せたいと思います。

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原稿全文

スピーチ私は発達障害を持っており、精神保健福祉手帳3級を取得しています。

本日はよろしくお願いします。

ここに入所する前は、別の就労移行支援事業所の紹介で大手の質店に勤めていましたが、「優先順位がつけられない」「仕事でのミスが多い」「仕事を覚えることが苦手」といった私の障害の特性が原因で、複雑な接客業の業務についていけずに体調を崩し、そのまま退職という結果になりました。

退職後、自宅での療養中に相談に行った発達障害者支援センターで、こちらの存在を知りました。

療養で退屈な日々でもあったので、体験に行ってみることに。

体験に行く前は「前に通っていた就労移行支援事業所と似た感じなんだろうなぁ」という感じでした。

そして1週間体験をした後、手続きをして通ってみることにしました。

通ってみようと思ったきっかけは「1人1人に親身になってくれる」こと。

昼休みでも職員の皆さんが話しかけてくれたり、訓練では訓練の感想を聞いてくれたりなど、丁寧な対応だったことが印象的でした。

以前通っていた就労移行支援事業所は、職員の方々は特に話しかけたり、訓練も自分の好きなことをやらせて訓練後の振り返りもなく「何が向いているんだろう」と分からない状態でした。

ですが、こちらは利用者に親身になってくれるところが印象良かったです。

様々な手続きを行った後、通所を開始しました。

軽作業やSST、文書作成などパソコンを使った訓練、グループディスカッションなど様々な訓練をこなしていきました。

訓練の中でも、1番印象に残っている訓練は「軽作業」です。

軽作業では、パソコンのデータ入力や物を梱包するピッキング作業などがありました。

軽作業を始めた当初、なかなか上手くいかずにすぐに投げ出してしまうことが多く「もうダメだ」と思いがちでした。

そんな時、私の担当の職員の方から『「どうやったら上手くできるか」を考えてやってみたらどう?』とアドバイスをもらいました。

その結果、上手くいくことが多くなり、上手くいかないことも「こうやったら上手くいくかもしれない」という考え方ができるようになり、自信もついていきました。

今でも、この訓練で得たことが仕事の面で一番役に立っていると思っています。

そして現在は、大手インテリア会社の障害者枠で働いています。

現在の職場は職場実習を受け入れていただいた職場で、周りの人も優しく、仕事内容も自分に合っていたので実習が終わった後、面接を受けて採用されました。

現在、仕事を続けて8ヶ月が経ちました。

今では仕事をしていることが本当に楽しくて「今の職場に出会えて良かった」と心の底から思っています。

これからの目標は「1人暮らしをすること」。

収入の関係でまだまだ先になりそうですが、ひとり暮らしに向けて頑張ってお金を稼ごうと思います。

そして最後になりますが、私はお世話になった就労移行支援事業所に通って本当によかったと思っています。

こちらに通っていたおかげで「働くことの楽しさ」を知ることができたと思っています。

私にとって「働くことは面白い!」ということを教えてくれた場所です。

これからもたくさん働いて楽しい人生を送っていきます。

ありがとうございました。


当日は、原稿を持って見ながら発表するよりも、身振り手振りを加えたりしながら発表したほうが皆さん心に響くかなと考えた結果、原稿を持たずに発表をしました。

原稿を見らずにスムーズに話したおかげで「何も見らずに要点をきちんと押さえて発表できていたことにびっくりした」と褒められ、発表することに自信がつきました。

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辛い過去も包み隠さずに伝える勇気を持ってみよう

勇気今回のイベントのスピーチで分かったこと、それは「辛い過去や失敗を包み隠さない人には強さを感じる」ことでした。

自分の辛い過去や失敗を話すことに、ためらいがある人は少なくはないですよね。

私も昔はそうでした。

しかし、スピーチに参加していた在籍者や卒業生は、過去に引きこもりや自宅療養、退職などつらい経験をしており、その過去を緊張しながらも50人近くいる障害者や福祉関係者の前でしっかりと話していました。

私もその話を聞いていて「失敗しても、立ち上がる勇気が人々に感動を与えるんだな」と、改めて実感しました。

そして、スピーチが終わった後「聞いてて勇気をもらいました」「堂々としてますね」など称賛の言葉をいただき、心から嬉しく思いました。

辛い過去や失敗を堂々と話すことは、決して恥ずかしいことではありません。

むしろ、人々に勇気や感動を与えるのです。

失敗したことにも意味があったんだな。失敗してよかったな」と、私は思うことができました。

あなたも、辛い過去や失敗を堂々と話してみましょう。

きっと何かが変わるはずです。

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行動することが自信につながっていく

自信今回スピーチをした在籍者や卒業生に共通していたこと、それは「行動してから、自信がついていった」ということです。

私自身も、就労移行支援事業所に通い始めて様々な訓練をこなしていき、自信をつけていきました。

その自信が今の私の支えになっていることは、間違いないと言えます。

そして、他の在籍者や卒業生も「通所し始めてから自分が変わっていった」「新しい自分を発見出来た」と話していました。

私は、訓練で失敗した時にすぐに諦めてしまう癖がありましたが、その際に「失敗をどう減らしていくか」を重点的に訓練をしていったところ、失敗も減っていき、自信もついていきました。

失敗は『必ずしないこと』ではなく、『失敗をした後にどう対策をとるか』『失敗を失敗で終わらせない』ことが大事です。

そして、基本は行動に移してみること。

発達障害者の中には自己肯定感が低く、失敗が怖い人が多く見受けられますが、行動を起こさないと何も始まりません。

失敗したら改善していけば良いし、成功した時は「自分はやればできるんだ」と褒めること。

失敗も成功も、あなた自身を必ず成長させてくれる存在です。

ですから、失敗も成功も全てひっくるめて愛せるように行動していきましょうね。

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様々な経験を積めば感動を伝えられる存在に誰もがなれる

感動今回のスピーチでは多くの方が勇気づけられ、励みになったと自信を持って言えます。

私たちが辛い過去を乗り越えて、新しい自分へと生まれ変わるために行動したことが自分の財産となり、それらを話すことで誰かの希望となることができたからです。

スピーチを通して「あの頃の辛い経験も無駄じゃなかったんだな」と心から思えました。

自分の失敗や成功は、誰かにとっては人生の道しるべとなることもあるのだ、とも。

テレビでも有名人が、自分の失敗談を笑い話に変えたり、涙ながらに語っている場面を見ると感銘を受けますよね。

同じように、あなたにも自分が経験してきたことを話して、相手を感動させていってほしいと心から願っています。

自分にしか話せない感動を、ぜひ伝えていってください。

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働くことは楽しいこと

サラリーマン私を含めた卒業生2人は「働くことが楽しい」「人生が充実している」と話しました。

働くことは本当に楽しいことなのです。

現在、サービス残業やブラック企業などが問題になり、働くことに対して後ろ向きな報道が多く見られ、「働くこと=地獄」というイメージが定着してしまっています。

苦しんでいる人たちが多くいることは事実ですが、自分が働きやすい環境を見つけていけば、心の底から「働くことは本当に楽しいんだよ!」と言える人生を送ることができます。

私は仕事で嫌な思いをたくさんしてきてから、会社で働くことに対して嫌悪感を抱いていました。

「自分を迫害してきた健常者と働きたくない」「社会には嫌な人間ばかりしかいない」とばかり思っていました。

そして、就労移行支援事業所に通い、障害者枠で働き始めてから「仕事ってこんなに楽しいんだ!」と思えるようになってきました。

今では遊ぶことよりも、働いて充実感を得たほうが楽しいと思ってしまうくらいです。

働くことって、悪いことばかりではないんです。

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スピーチを終えて

幸福今回、初めて発達障害者として多くの人の前でスピーチをしました。

初めてのスピーチは、緊張しながらも自分の言葉で上手く話すことができて満足でした。

私は、障害を診断された当初「発達障害が分かってよかった(苦しかった理由がわかった)」という安堵感と同時に「これからどうすればいいんだろう」という不安が入り混じっていました。

仕事をクビになったり、うつ病になったりと嫌なことばかりの人生で、「死んでしまいたい」「生きてても意味がない」そう思ったことは数多く、社会人になってから良い思い出はひとつもありませんでした。

しかし、今では辛かったあの日々が本当だったのかと思えるくらいに幸せです。

仕事も順調にこなせて、好きなこともたくさんできる環境があることに、感謝しかありません。

そして、今回のイベントを通して「私が今まで経験してきたことを書いたり、話せる機会をもっと作っていきたい」と改めて思いました。

講演会などで話す機会があれば、これからも積極的に話していきたいと考えています。

最後に、皆さんに伝えたいことがあります。

ぜひ、行動して幸せになっていってください。

私もこれまで辛いことをたくさん経験してきました。

涙を流し、死ぬことを選びたくなり、人生に迷い「もう終わった」…そう思う日々でした。

しかし、一歩踏み出し、今の就労移行支援事業所に通い始めたからこそ、現在は幸せを感じて生きることができていると胸を張って言えるのです。

そして、それらの経験は全て「幸せになるための伏線」だったと今、感じています。

それを知ってから、どんなに辛いことも「これは幸せになるために必要な経験だ!」と思って生きています。

どん底の日々があったからこそ、誰かを感動を与えることができた。

どん底の日々があったからこそ、「仕事が楽しい」と思えている。

どん底の日々があったからこそ、人生に希望が持てた。

辛いことも嬉しいこともあなたの人生の一部です。

それらを愛していけるような人生を送ってください。

皆さんが幸せになることを心から祈っています。

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