きぬよ先生の考える「発達障害と食育」


食育障がいのあるなしに関わらず、子どもたちにとって非常に大事な「食育」。

発達障害児の中には「偏食」を抱える子どもが多く、親御さんたちは大変苦労されているかと思います。

しかし、「食べないから食べさせない」ではなく、親御さんご自身がまず「何でも美味しそうに食べること」を意識し、同時に、人が食べることを否定しないような環境づくりを作ることが大切です。

過去に、小学1年生のときはほとんど食べるものが何もなかった偏食持ちの子がいましたが、その子は少しずつ偏食を克服し、卒業時には何でも食べられるようになった、ということがありました。

それが障がいの克服なのか、年相応の成長なのかはわかりませんでしたが、本人にできることが増えるということはとても素敵なことだなと感じたことを覚えています。

食べられるものが増えることによって、子どもたちの食に対する興味も広がり、身体も心も成長します。

また、身体つきが変わることで「できること」が増えることもあるでしょう。

食育「食べる」ことを教えていく中で、旬のものを一緒に食べて季節を感じたり、色々な食材に触れたり、時間やマナーを伝えることも大切です。

もしも子どもが泣くほど嫌がった場合は、無理につらい思いをさせながら食べさせなくても大丈夫です。

おなかがすいたら、何かを食べるのですから。

親御さんの食へのこだわりや「子どもがほとんど何も食べないから」と心配して、パンやその子の好きなものを持たせて登校させていた家庭を目にしたことがありましたが、パンなどを持たせてくれた日は給食をすべて拒否していたその子も、何も持たせてくれなかった日は給食を一生懸命食べていたのです。

このように、偏食持ちでも「これしかない!」となったとき、子どもは自分の食べられるものを選んで食べようと考えるのです。

もちろん、ひとりひとりの障がいの程度や味覚障害、感覚過敏の有無などによって違ってきますし一概には言えませんが、まずは親子で(必要であれば専門家も交えて)色々と話し合って、少しずつ食べられるものを増やしていけると良いですね。

また、お子さんに食事について伝える際は「色々なものをしっかり食べなさい」の前に、「こんな食べ物があるよ」「これを食べたら身長が伸びるかもね」など、具体的なことを教えてあげることも必要です。

食事とは、栄養をとる目的だけではなく、情操教育だと私は考えています。