「何でこんな些細な事ができないのだろう……?」
小さな事でつまずき、癇癪やパニックを起こす子ども。
その苦しさを分かってあげたくても、幼い子どもは心(きもち)を言葉で上手に表現できません。
何か理由があるはずと分かっていても原因を探るのは難しく、ときには困ってしまいますよね。
そんな手探りの毎日から抜け出したいと思っているなら、『児童発達支援・放課後等デイサービス』に通うことで、悩みが軽くなるかもしれません。
発達に偏りのある子どもを育てる新米ママの私も、発達課題に悩む中で児童発達支援に出会い、毎日の暮らしや心がけが大きく変わりました。
こちらのページでは、『児童発達支援・放課後等デイサービス』を利用しはじめた頃の我が家の状況、通ってみて良かったこと、継続する中で感じたことなどをお伝えします。
子どもの発達スピードや不器用さ、こだわりの強さなど、「発達障害かな?」と悩んでいる親御さんや、発達支援を考えているけれど動きだすきっかけが無いという場合は、ぜひ参考にしてくださいね。
1.【児童発達支援】デイサービスに出会うまでの我が家
1-1.睡眠リズムに違和感…発達課題を疑う
長男は、妊娠期間中から順調に成長していましたが、生後半年から夜泣きが始まりました。
「子どもを産んだ人は、みんなが乗り越えてきた普通の事だから……」と自分を納得させ、「きっと半年くらいで落ち着いてくれるはず」と想像しながら、朝まで続く15分ごとの夜泣きに耐え続けました。
ところが、半年どころか二年を過ぎてもいっこうに熟睡してくれない息子。
眠りながら叫んだり、号泣したりして起きることは毎晩。
時には、眠りながら立って部屋を歩き出すことさえありました。
漢方を試し、小児科に相談もしましたが、赤ちゃんや幼児の睡眠の悩みは「早起きして、よく運動して、様子をみてください」で済まされてしまいます。
小さな子どもには、処方できるお薬もないとのことでした。
ここまで長引くと思っていなかった夜泣き。
何か他の子どもと違うのではないか……と頭をよぎります。
「まさかね……」という気持ちを持ちながらも、発達課題を疑い始めました。
恐る恐るインターネットで似た例を探しましたが、赤ちゃんの軽度発達課題についてとりあげている記事は少なく、なかなかスッキリとした気持ちにはなれません。
地域の保健師さんに相談もしていましたが、そちらでも「大変ですね、また何かあったら連絡してください」と毎回繰り返すだけ。
対策がさっぱり分からず、ただ頭を抱えるばかり。
眠気で頭をグラングランさせ、どうにか一分でも長く眠ってくれるようにと祈る毎日でした。
筋金入りの『睡眠の苦手な赤ちゃん』の息子ですが、音にもとても敏感でした。
ようやく眠ってくれたと思っても、床が軽くきしむ音や電気ケトルでお湯が沸くときのカチッという音ですら起きてしまいます。
昼寝もせず、ベビーカーに座って眠るなんて考えられない。
そもそもベビーカーやチャイルドシートが大嫌いで3歳まで座ってもくれなかったため、移動は抱っこ紐に頼るしかありません。
ほぼ眠ってくれない乳児・幼児期を過ごしましたが、とても悩んだ睡眠リズム以外にも、発達課題で不安に感じていたことはたくさんありました。
1-2.母子分離不安の強い息子
赤ちゃんの後追い時期は母親が見えなくなると大泣きする子も多いですが、次第に和らいでいくもの。
それなのに、息子は何年経っても私が離れるのを許してくれず、姿が見えないだけでパニックを起こして泣き叫びます。
シクシクと泣いているだけなら安全を確保しながら見守るのですが、息子の場合はパニック状態になると体中をかきむしって血だらけになってしまいます。
何をきっかけにパニックを起こしてしまうか予想がつかないので、炊飯器のボタンを押すこと、トイレに行くこと、ゴミをまとめることすら気合がいりました。
常に泣かれることにビクビクとしていて「愛しているのに息がつまりそう」という誰にも言えない気持ちに、親として罪悪感を覚える時期でした。
今思えばここまで激しい後追いや、ベビーカーに座りもしてくれなかった行動は、息子からの言葉にならないメッセージ。
発達の凸凹からくる感覚の辛さを、私に訴えていたのだと感じます。
1-3.お友達との集団行動になじめない
同時期に出産したママ友との集まりが定期的にありましたが、会話に参加することはほぼ諦めなければなりませんでした。
大勢が集まる場所での息子は、家にいるときよりもいっそう落ち着きがありません。
床に下ろそうとするだけで、迷子が助けを呼ぶかのように大声で泣き続けます。
その凄まじさといったら、そばにいる大人が話していられないほどに悲壮な響き!
10キロを超える体格の息子を抱っこ紐で担ぎ、集まりを台無しにしないようにと何時間も大きくユサユサと揺れ続けなければいけません。
他愛もない育児話に入る余裕は、もちろんありませんでした。
息子には聴覚や視覚の感覚処理過敏があることが、今では分かっています。
大泣きしていたのは、大人数での集まりでのガヤガヤとした音など、不快な情報量に耐えられなかったからでしょう。
しかし当時は、「どうして、床に座っていてくれないの?」「どうして、お友達にかかわろうとしないの?」と無意識に比べてしまい、子育てを楽しめないでいました。
集まりに参加するよりもひとりで遊ぶのが落ち着く……といった本人の意思を感じ取るようになると、次第に集まりに参加することは減っていきました。
私自身が、他の子ども達が平和に遊んでいる様子を見るのもつらく苦しく感じるようになっていたのも理由のひとつです。
夫は帰りが遅く、ワンオペ育児だったこの頃……、子育ての大変さを誰ともわかちあえず「孤独な時期を過ごしていたなぁ」と感じていました。
1-4.幼稚園への入園
「普通の育児ってどんなもの?」と、頭の中にぼんやりとした疑問がわき出てくる中、待ちに待った幼稚園入園です。
私は昔から子どもが好きで扱いに困ったことなどなかったのに、他人より苦労していると感じていたこの頃。
「幼稚園に入れば、何かをきっかけに息子の心も変わるかもしれない……」と、淡い期待を抱いて入園式を迎えましたが、そう上手くはいかないもの。
あれだけ私と離れることを拒否していた息子ですから、入園式では席から脱走して大泣き!予想を上回る荒れ具合に呆然としました。
その後も毎朝、道を歩く人が振り返るほどに泣きわめきながらの登園。
波乱の日々の始まりとなりました。
2.【児童発達支援】の事業所を探す
2-1.空きのある事業所が見つからない!
しばらく経っても、やはり幼稚園を楽しむ様子が息子にはみられません。
一学期が終わる頃には変化がみられるかもと期待していましたが、毎朝説得し、なだめながら通園する生活はそのまま。
途方に暮れて、何か良い案はないかと調べていたところ【児童発達支援・放課後等】デイサービスという存在を知りました。(※以下、児童デイサービスと記します)
幸い、実際に児童デイサービスに通っているお友達がすぐに見つかり話を聞いてみると、「わりと楽しく通っているよ」という感想で、ポジティブな印象を持っているようでした。
息子を知る糸口を求めていた私は、藁にもすがる思いで近隣の児童デイサービスを探し始めました。
その年は、世の中が【発達の凸凹】について注目し始めた時期。
テレビでもたびたび特集テーマとして取り上げられていて【発達障害】という言葉が、マイナスだけではない意味を持ちだした頃でした。
本人を取り巻く環境が良いほうへ変化すること、世間の心の敷居が低くなることは、ありがたい時代の流れではありました。
しかし、そのスピードに置いて行かれるように、事業所の数は圧倒的に足りていない状況でした。
どこのデイサービスも定員に達しており、なかなか息子を受け入れてくれる事業所が見つかりません。
「せっかく良いサービスを知ったのに通わせることができない……」期待していた分、ガックリと肩を落としました。
2-2.初めての事業所決定
受け入れ先が見つからず、すぐに通わせたいという気持ちは一旦保留するしかありませんでしたが、ただ待つだけももどかしいので、市役所や福祉センター、友人から情報収集をして巡りあわせを探すことにしました。
私自身この頃は、発達課題へ向き合う覚悟もしっかりとできておらず、発達障害をもつ子どもへの接し方や支援方法についての知識もまだ浅いもの。
少しずつ調べていくうちに、児童デイサービスにも色々な形態があるのだとぼんやりと分かってきました。
息子に合うスタイルはどれだろう?と思案していたとき、「利用者枠に空きがある事業所がひとつだけ見つかった」という知らせが入りました。
児童デイサービスがどのような福祉サービスなのかはインターネットなどの施設説明で知っていましたが、写真や文字からイメージするには限界があります。
下記の理由から、初めての事業所候補として見学予約を取り付けることにしました。
- 他に空きのある事業所がなかった。
- 次にいつ空きのある事業所が見つかるか不安だった。
- 実際に通わせてみないと息子に合うサービスなのか判断できないと感じた。
支援内容に納得したうえで結論が出せるように、契約は事業所見学をしたあとに行われます。
実際に足を運び、本人にも場所を見てもらうことにしました。
息子の成育歴や現在の様子などをスタッフがていねいにヒアリングしてくださったことで安心でき、通わせてみたいと感じて契約することにしました。
これで晴れて、初めての事業所が決定したのです。
★初めて契約をした児童デイサービス・事業所「A」
- 五人程度のお友達が二部屋で数時間過ごす『預かり支援』
- プリントや工作など個人のレベルにあわせた課題、微細運動、粗大運動、散歩、公園遊び、着席してご挨拶などの生活習慣を身につける練習などがある。(小規模な幼稚園といったイメージ)
- 利用者の希望があれば、自宅まで車で送迎してくれる。(我が家は週に一度、幼稚園後に自宅まで迎えに来ていただく内容で契約)
幼稚園に通うことさえかなり手を焼いていたので、規模は小さいながらも似たような集団で過ごすことに不安はありました。
しかし、見学に行って顔を覚えたスタッフがいたことや、前もって「この日から行くよ」と息子に予告していたこともあってか、初回から案外すんなりと送迎車に乗り込んでくれました。
児童デイサービスで過ごしている時間もソワソワと帰りを待っていましたが、自宅まで予定通りに送り届けていただくことができ、ホッと安心。
一歩前進した気持ちになったことを覚えています。
通ってみてありがたかったのは、些細な悩みをスタッフに相談できたことです。
それまでは、発達凸凹の専門知識を持つ人と接する機会がなく、本人が生きやすくなる方法を一緒に探っていく仲間ができたと実感した初めての出会いでした。
子育てを同じまなざしで共有し、アドバイスをくれる戦友ができたという感覚が心強く、とても勇気づけられました。
2-3.休みたがる理由と向き合う
通い始めてからしばらくは緊張感もあってすんなりと通えていた息子ですが、気を張って過ごす幼稚園後の時間だったため、一行事が多い時期には休みたがる日がでてきました。
それもそのはず、幼稚園生活では季節が移るごとに、求められる作業やふるまいのハードルが上がってくるのです。
幼稚園での息子はいつも辛そうな表情をしていましたが、自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手なため、どの部分に辛さを感じているのかをハッキリと汲み取ることができません。
何を優先して生活を選んであげれば良いのか、判断がとても迷われる時期でした。
ただひとつハッキリと感じていたこと。
それは、発達凸凹の専門知識がある児童デイサービスに預けることは、泣きながら行く幼稚園に送るよりも、安心できたということです。
発達課題がある子どもとたくさん接してこられたスタッフ、そして、親の苦労や心配事を聞いてくれる児童デイサービスは、幼稚園に悩みを抱えていた私にはとても大きな存在でした。
無くてはならない相談先で、精神的にはとても支えられていたのですが、休ませることが増えたのは事実。
本人の辛さはどこにあるのかと思いを巡らせるうち、預かっていただく時間が二時間以上であるという点が、本人の体力の限界をこえているのかな?と考えるようになりました。
良い結果に結びつくようにと通わせているのに、本人の気が進まない中で通わせるのでは効果が上がるとは思えません。
一度頭をまっさらにして、他にもっとフィットする方法はないかな?と再度調べ直すことにしました。
3.ふたつ目の事業所との出会い
本人の疲れやすさを考えると、もう少し支援時間が短いほうがマッチするかもしれない……と思い至り、新しく巡り合ったのが事業所「B」でした。
★ふたつ目の事業所「B」
- 三名程度のお友達と、ワンフロア一部屋で活動。約一時間。(事業所「A」より数時間短い)
- 個人のレベルにあわせた工作や運筆、ボール投げやサーキットなどの粗大運動。着席して絵本の読み聞かせなどを実施。
- 親が送迎をするため、子どもは安心感があり楽しく通える。
- 療育中、親は別階の待合室で待機をする。
前回同様に本人と見学に行きました。
スタッフの雰囲気や支援のスピード感もまた違っており、あたたかな雰囲気の事業所です。
何より、短時間支援の場合、息子のコンディションがどう変化するかを確認したかったこともあり、ふたつ目の事業所として契約することにしました。
我が子に限らず、発達凸凹の子どもは些細なことでコンディションを崩してしまうことが多いため、直前でどうしても気持ちがのらずに児童デイサービスをお休みしてしまうことがあります。
そんな時、事業所「B」は心苦しく思う親の心をよく理解して下さっていて「本人の気持ちが向いているのが一番です。無理せず、気にせず、本人の来られるときに来てくださるので大丈夫です。安心してくださいね」と、親の心をフォローする姿勢をとってくださいました。
子どもだけではなく、親子ともの未来が明るくなるようにと手助けして下さっていると感じ、とても嬉しかった言葉です。
4.通わせることのメリット・デメリットを考える
4-1.ふたつ目の事業所へ通ってみて
ゆるゆると、マイペースに通うことを受け入れてくださった事業所「B」ですが、自宅から少し距離がありました。
送迎をしてくれる事業所と比べると、親が自転車で送迎をする「B」は体力的、時間的な負担があります。
デメリットだと感じていた自力での送迎でしたが、支援の一時間程度を待合室で過ごす決まりだったことが、想定外の良い経験になりました。
一番メリットだったと感じたことは、児童デイサービスを同時間に利用する親御さんとお知り合いになれたことです。
子どもの様々な『困り感』と向き合いながら生活している親御さんと悩みを打ち明けあうこと……、それは児童デイサービスのスタッフに話すのとはまた違った角度から、私の心を鮮やかにしてくれました。
赤ちゃんの頃は育児話の輪に入れなかったけれど、児童デイサービスにいる親御さんとは苦労が似ていてすべてを笑い話にできたのです。
発達に凸凹をもつ子どもの親御さんでないと共感できない“あるある”を話し、生活動作の工夫や、幼稚園での過ごし方など、本当に様々なことを一時間にぎゅっと詰め込んで過ごす、とても楽しみな時間でした。
子育てに難しさを感じていた当時、人と笑いあう時間がもてたことは本当に心の栄養になりましたし、小学校に上がった今でも当時のメンバーで情報交換を頻繁にしています。
苦労を共有し、時には涙し、笑いあえる仲間を得たとても貴重な経験でした。
4-2.ひとつ目の事業所を辞める決意
早い時期から事業所として多くの人に知られていた「A」は予約待ちが続々と増えている状況でした。
子どもたちがデリケートな特性を持つと理解されている立場のはずですが、待ち人数のプレッシャーがあったのでしょうか。
「予約してのキャンセルはやめてください」という雰囲気を重荷に感じることが増え、「予約を入れずに他の方にお席をお譲りしたほうがいいのかな?」と、私自身の迷いが深くなっていきました。
家族以外で初めて発達の悩みを打ち明けられた、事業所「A」。
支援を受ける前の発達段階を把握してくれており、成長の幅を一緒に共有できる相手でもあるはずと、辞める勇気をもてないでいました。
児童デイサービスの事業所が足りていない状態も依然として続いていたため、辞めてしまうと、いつまた合う事業所が見つかるか分からないという実情も判断を鈍らせていました。
★事業所「A」のメリット
- 自宅までの自動車送迎がある。
- 親は時間的、体力的に負担が少なく、体を休めることができる。
- 数時間子どもと離れて過ごせることで、パニックの対応から一時的に開放される。
- 静かな時間が確保でき、子育てのイライラをリセットできる。
- 家ではできない集団生活の指導、公園遊びや散歩などがある。
★事業所「A」のデメリット
- 預かり時間が長く、息子にとっては体力的、気力的に負担がある。
- 息子の気分がのらない日が増えてきた。
- 集団で過ごすことを目標にする事業所のため、いつも利用者が多くにぎやか。
- 待機児童が多く、急に休むことは避けなければいけなかった。
上記のポイントを整理してみて、親はとても助けられていることを実感しましたが、息子にとっては疲れる場所となってしまっているのではないかと夫婦で話し合いました。
親が子育てをするために一休みする時間も大切ですが、本人の表情を大切にして、思い切って事業所「A」を辞める決断をしました。
息子を理解してくれている事業所と一か所でも多く繋がっていたいとも思いましたが、家族を取り巻く状況は刻々と変わっていきます。
特定の事業所と長く付き合い、子どもの様子を見守り続けてもらうことも大切ですが、日常とのズレが出ているなら思い切って辞めることも必要です。
親子ともに無理をしていないか、児童デイサービスに通わない時間で他に取り組めることはないか、環境に違和感はないかどうかなど、定期的に立ち止まって整理すると、スッキリした気持ちで通うことができます。
もしもいま通っている児童デイサービスに迷いがあるなら、メリットとデメリットを書き出すと客観的に考えられるのでオススメですよ。
5.ふたつの事業所を通じて感じたこと
5-1.見てみないと始まらない
何事も、最初の一歩というのは荷が重く、生活を送るだけで精一杯の時期に支援教育へ心を注ぐのはなかなかパワーのいることです。
目に見えて「合わない」と想像がつくこともありますが、もし気になる事業所があるなら、まずは見学に行くことをおすすめします。
思っているよりもずっと気軽に見学ができますし、問い合わせをするだけでもヒントになることがあるかもしれません。
5-2.本人の歩幅にあわせて
小学生になった息子と、幼稚園の頃を振り返って話をすることがあります。
事業所「A」は苦手なことをさせられるイメージが強く、本人にとって厳しい環境にあったようです。
また、同時間に過ごす子ども同士の相性がうまく合致していない部分もあったのかもしれません。
特に感覚処理過敏をもっている子どもなら、誰かがパニックになり泣く声が苦手だったり、大きい動きをするお友達が苦手だったり、人によりどうしても不快に感じてしまうことが出てきます。
しかし、そのお友達も学びに来ているのですから、ともに過ごせるように互いが成長を目指すことが望まれます。
どちらかが悪い、などという話ではないのです。
子どもの相性を考えて利用曜日を考えてくれる児童デイサービスもありますが、事業所により仕組みは様々です。
不安な場合は、落ち着いて過ごせそうな曜日や利用時間帯を相談できる場合もありますのでお聞きになってみてくださいね。
我が家では息子が少しでも過ごしやすくなるようにと、幼稚園と似た生活習慣を練習してくれる事業所「A」に魅力を感じていましたが、本人にとっては重ねて苦手な作業をこなさねばならず、非常にしんどい経験をさせたと思います。
苦手なことにはチャレンジさせない、ということではありません。
「できる事」の段階がどこかを本人とともに考え、スモールステップに区切って取り組むことが大切です。
「できた!」を積み重ねて少しずつ苦手意識を減らしていくと、本人に自信がつきますし、格段に吸収力が上がります!
あとから通いだした事業所「B」は、母と一緒に通える安心感と、短時間を過ごせば帰れるという意識があり、息子にとってハードルが低かったようです。
苦手な作業ももちろんありましたが、家ではできないダイナミックな粗大運動もあり、楽しみにできる要素を事業所が組み込もうとしてくださっていたことで前向きに通えたのではないかと思います。
どこかに通わせただけで一足飛びにできるようになるなんて夢物語は、まずありえません。
無理なハードルをこちらが設定してしまうことで、取り組むこと自体を辛く感じ、結果的に遠回りになるとすれば、それはとてももったいないことです。
今どうしても生活動作の中でできないことがあるなら、もしかすると設定したハードルが高いのかもしれません。
もうひとつ段階を下げて、クリアできることを基準に目標を考えてみてはいかがでしょうか。
支援方法の知識がある児童デイサービスだからこそ、苦手なことに取り組ませたくなるかもしれませんが、「できる」「落ち着く」という成功体験に繋がるような取り組みをしていただき、子どもの自己肯定感を高めてあげることも、この時期にとても重要なことでです。
そして、児童デイサービスの力を借りながら、親御さんも心を休めてほしいと切に思います。
まとめ
幼児期はどうしても「できる事」よりも「できない事」に意識が向いてしまいますが、幼い頃からの適切なサポートは、子どもを大きく成長させてくれます。
親御さんと力を合わせて、違った角度から成長を促してくれるのが、『児童発達支援・放課後等デイサービス』という存在です。
我が子の発達課題を抱えている親御さんにとって、そういった施設へ一歩を踏み出すことは、非常に勇気のいることです。
ただ、その一度の勇気で、自分と我が子の未来がとても明るいものになるかもしれません。
ひとりでも多くの子どもが楽しく通える児童デイサービスに巡り合えることを、心から願っています。
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