お子さんがADHDだと診断されて「薬を使うかどうか」あなたに判断が任されている場合、それはとても悩ましい問題ですよね。
薬は安全なのか?
使い始めたらいつまで使うことになるのか?
そして何より、自分の判断は正しいのか……。
ADHDの中学生の息子がいる私のケースについて、「使うようになったきっかけ」や「薬の使い方」などをお話します。
ADHDで薬を使うかどうか悩んでいる親御さんの参考になれば幸いです。
☝前提として:賛否両論ありますが、弊社では「発達障害やADHDは個性の一つだという考えもあるため、たとえ医師が勧めたとしても、(子どもへの)安易な精神系の薬の服用は慎重になったほうがよい」という考えのもと、サイト作りを行っております。自己責任においてご利用ください。
ADHDの子どもに処方できる3種類の薬
ADHDで処方される薬には数種類あります。
その中でも、現在の日本で厚生労働省に保険適用されていて子どもに処方できる薬は下記の3種類。
- コンサータ
- ストラテラ
- インチュニブ
どの薬を使用するかは、子どもの状況によって主治医の先生が決めてくれます。
はじめは受診の間隔を短くし、保護者との情報交換をしながら少しずつ進めます。
☝記載されている薬について、詳しくはこちらをご参照ください。
薬についての知識は医師やメーカーから得られる
薬や発達障害をわかりやすく記述した冊子もあります。
保護者にあまり知識がなくても、どんな薬か、どんな効き目があるかについて不安を感じることはありません。
薬のメーカーによっては会員登録をすると、飲み始めてから一定期間、「薬の服用についてや、どんな変化が出てきているか」などをチェックするシートを準備しています。
保護者が気を付けたいことなどを、メールや可愛いシールの送付などで手助けをしてくれることもあります。
副作用についての配慮が必要
担当医師からも説明がありますが、薬ですのでやはり副作用がある場合があります。
ADHDで子どもに処方される薬の主な副作用
- 食欲の減退・増加による体重の変化や成長の遅れ
- 睡眠障害、傾眠
- 血圧低下、頭痛、腹痛など
- ☝記載されている薬について、詳しくはこちらをご参照ください。
これらの副作用は注意深く見守る必要があります。
また、複数の薬が処方されることもありますので、薬の相性を見極めることも大切です。
私の息子は小学4年生からADHDに対して「ストラテラ」を服用していますが、体質にあったのか特に目立った副作用もなく、中学3年になる現在も服用しています。
ただ、「ストラテラ」と一緒に向精神薬も服用していて、むしろ副作用はそちらの薬のほうで多く出現しています。
向精神薬が変わるごとに「体重が急に増えるかも」「食欲が減退して体重が減るかも」「睡眠障害があるかも」と体調の変化に気を遣っています。
薬は複数を併せて処方されることが多い
ADHDで薬を服用する場合、1つの薬のみ処方されることは少なく、「コンサータ」か「ストラテラ」と向精神薬との2種類、3種類の処方が多いようです。
私もそうでしたが、薬を服用するというのは保護者にとって最後の手段という意識を強く感じます。
医師に薬を勧められるのは「お子さんはかなり精神的にも良くない状況にある」と言われたのと同じだと思い、つらい気持ちになりましたが、実際にはそこが最悪ということではありませんし、この先さらに悪くなると決まったわけでもありません。
悪いほうに考えてしまうきっかけにならないように、気持ちを整えて先生のお話を聞きましょう。
医師としては症状の改善を期待して薬を処方するため、ADHD薬+向精神薬という形が多いようですが、この場合もいきなり向精神薬を処方されるわけではなく、医師との相談で色々と調整できます。
私は薬を服用することに強い抵抗がありましたので、漢方薬をしばらくの間処方していただきました。
薬を処方された時の息子の状態
幼少期:小さく生まれたことから、障害に気付けなかった
息子はとても小さく生まれたため、普通の月齢での育児ではなかったことから、発達の遅れは多少あって当然だと思っていました。
そのため、私は息子が小学校に入学するまで、障害を気にしたことがありませんでした。
しかし、振り返って考えてみると、小さい頃の息子は病弱な以外にいつもニコニコと人懐っこく、グズったり癇癪を起すこともなく、上の子と比べると本当に手間のかからない大人しい子どもでした。
というよりむしろ、息子は上の子や他の子と比べて、大人し過ぎたのです。
私は仕事をしていて忙しかったこともあり、この頃に息子のことで「あれ?」と感じる余裕がありませんでした。
後に、上の子が専門学校に入り、子どもの発達について学んだ際に上の子から「そこで何かおかしいなと気づくべきだったのではないか」と指摘されたのですが、その言葉が私の心に刺さった棘のように今でも残っています。
もっと早くに息子の障害について考えていれば……、そう思うときもあります。
引越し前まで過ごした小学生時代:ADHDに対する理解を得られなかった
息子が通っていた幼稚園は先生達に大変理解があり、同じクラスの子どもたちが息子のできないことを上手にカバーしてくれる形にしてくれていました。
しかし、小学校へ入学すると途端に色々なことが悪い方向へ進んでいってしまったのです。
今から10年近く前の地方の学校なので、現在のように「発達障害」や「ADHD」が学校で認識されていなかったため、仕方がなかったのかもしれません。
担任の先生はベテランでしたが、新一年生をまとめることに必死だったのでしょう。
他の子どもに比べて何事にも1テンポ遅い息子は、班行動やクラス内でだんだんと仲間はずれにされていったようです。
その影響が体や心に出てくるようになったのです。
その頃から腹痛や吐き気で登校をしぶるようになり、時々急にいなくなることも増えました。
お隣のおじいちゃんが犬の散歩しているのを追いかけて行ってしまっていたり、1キロ程離れたところのに住む従兄弟に会いに行こうとしたりと、いなくなる理由は単純なのですが、なかなか見つからないことも多々あったため姿が見えないと本当に心配をしたものです。
小学二年生の終わり頃:引越しを理解できなかった息子と発達障害を理解できなかった祖父母
学校からの理解も得られないまま小学二年生の終わりになり、家庭の事情から引越しをした我が家。
最初は引越し先に馴染んで見えた息子でしたが、半年程した頃に「いつまでここにいるの?」「前のお家に帰りたい」と頻繁に言うようになったのです。
転校した小学校は、発達障害に大変理解がある学校で、普通級に在籍しながら息子の苦手とするところを通級で指導してくれたり、親と話し合いをした上で何かと配慮をしてくれたりしました。
しかし、息子にとって良い環境が整ったと思ったのは親だけだったようです。
あるいは、半年ほどしてようやく、転校したという状況が理解できたのかもしれません。
また、引っ越しから一年くらいは、息子の大好きな祖父母と同居していたため安定して見えました。
しかし、祖父母は高齢のためか息子の登校拒否や何気なく言った言葉を理解できず、叱ったり、ぐずった息子を押さえつけたりすることもありました。
ADHDの孫のすることは、高齢な祖父母には突拍子もないことばかりだったようです。
時間が経つにつれて、戸惑いは理解できない苛立ちに変わっていきました。
「もう同居は無理だ」と考えていた頃、主治医の先生から薬の服用を勧められました。
薬への心理的抵抗は親の心の中にあった -理解している”つもり”だった発達障害を認める-
発達障害については理解しているつもりでも、やはり「薬の服用」は「子どもに悪いところがあるから」だという気がして、どうしても受け入れる気持ちにはなかなかなれませんでした。
発達障害について偏見があったわけではなく、また、息子に対しても、他の子とはまた違った子育てを「こういう育ち方もあるんだな」と上の子とは違った育て方で色々と学んだり、工夫したりすることが楽しかったくらいです。
私が頑張ることで息子がニコニコ学校に行ってくれて、ニコニコ学校から帰ってきて、お友達の話を楽しそうにしてくれたらそれで良かったのです。
でも、週の数日そうできない息子に「薬を飲ませる」ことが正解なのか、私は悩みました。
「薬=どこか具合の悪い人が飲む」「具合の悪い人=息子」という方程式に無意識に私が縛られていたのかもしれません。
祖父母との別居後:危険行動が増えた息子
同居が難しくなった祖父母と少しだけ距離を置くために、別々の家(車で何分かの距離)に住むことにしました。
息子を学校の後で祖父母の家に預かってもらい、夕方に私が迎えに行くという生活が始まりました。
すると、それから息子の危険行動が増えていってしまったのです。
叱られることがあっても、大好きな祖父母宅から帰ることが嫌で仕方なかったようです。
大人しく車に乗っても、祖父母宅が見えなくなると、息子は車の中で突然暴れだしました。
シートを蹴飛ばしたり、ドアを開けようとしたり……、家に着くなり走っていなくなることもありました。
見つけて上手に連れて帰ってくるのはいつも、年の離れた上の子でした。
学校を休むのは相変わらずで、ある時担任の先生が休み時間に車で迎えに来てくれたことがありました。
しかし、車を見た息子は台所へ一目散……、包丁を探しに行ったのです!
包丁で自分を傷つけたら死ねると思ったと息子は言いました。
自傷行為は小さい頃からあり、くっきりと歯形がたくさん残った腕で帰宅したり、口が痛いというので口の中をみると……噛んだのでしょう、口内炎だらけになっていることも多々ありました。
このような状況を定期健診で主治医に話すと、「悩んでいる場合ではなく、薬の力を借りるべきだ」と言われました。
小さい頃から言われていた「命にかかわる危険」が今だったのです。
小学四年生の秋:自己肯定感を上げて命の危険を避けるために薬の服用を開始
息子の主治医の先生はいつも「お母さんが叱っていいのは、息子さんが命にかかわる危険なことをしたときだけ。でもその時は、本気で叱ってください」と言っていました。
そのため、上の姉には小言をいっても、息子に対しては少しでもできた事を褒め、叱ることはほとんどありませんでした。
しかし、学年が上がると息子は周りと自分の差や、同学年のお友達と同調できない苦しさを重ねていったのでしょう。
いくら褒めても、どんなに工夫しても、自己肯定感を上げることができませんでした。
「どうせ俺なんか」「どうせバカだから」という、息子の言葉も主治医の先生は気になったようです。
「薬の力を借りて、少しでも息子の生活や感じ方が楽な方に変化すれば……」ということで、小学四年生の秋から「ストラテラ」を服用することになりました。
服用を始めて落ち着いた息子
必要性を見極めた上で処方された薬
コンサータとストラテラの違い
- コンサータ
注意散漫・不注意の改善・やる気のUP・気持ちの切り替えがスムーズになる等の効果が期待できます。
- ストラテラ
幾つかの作業を同時にできるようになったり、行動や、やらなければならないことに優先順位をつけられるようになる等の効果が期待できます。
※インチュニブは2017年に承認された新しい薬です。
落ち着きがないなどの「多動性」、思ったことをすぐ口にしたり行動に移したりするなどの「衝動性」への効果が期待できます。新たな選択肢が増えたことで期待されています。
息子の場合は鬱もあったので「ストラテラ」を服用することになりました。
嫌がりもせずに服用を開始しましたが、しばらくして「病気じゃないのに薬を飲むのはおかしい」といって騒ぐこともあったため、「あなたが元気になって、気持ちが楽になるためのお薬」と繰り返し伝えることで、時間になると自分で「薬の時間」と催促にくるようになりました。
私は、「気持ちの起伏がなくなって、落ち着いて穏やかな顔をしているな」と感じていました。
息子は言葉にしませんでしたが、気持ちが楽になったのだと思います。
状況を見ながら薬を切り替える
それから息子も成長期になり体重も増加し、中学3年になる少し前に「ストラテラ」から「コンサータ」に切り替えて、登校しぶりや朝起きれない状況の改善を図ることになりました。
「ストラテラ」が合っていたのと長く服用していたことから、中学三年生の現在は完全な移行ではなく、どちらも飲んでいる状態です。
切り替えて間もないので「コンサータ」がどのくらい効いているのかはっきりとは言えませんが、「急にやる気スイッチが入ることが多くなった」「毎日の習慣として学習を取り入れるようになった」などの変化は見られます。
しかし、朝は変わらず起きませんし、興味のないことには頑なに参加を拒みます(学校の授業でさえもです)。
これからまた体重等を考慮し、薬の量を増やすことも検討しているので、もう少し改善されるかもしれません。
発達障害の自分を友達に説明する
薬を始めるとき、主治医の先生からは「中学三年生くらいまでがほとんどだから」と言われました。
ADHDのほとんどの子どもは成長するにしたがって、社会性や協調性などのソーシャルスキルを身に着けるので、ADHDの特性が目立たなくなることが理由だそうです。
しかし、今の息子の状態からすると、まだしばらくは薬をのみ続けていかなければならないようです。
最近は中学生ということもあり、そろそろ発達障害のある自分自身について人に説明できるような訓練もしなければなりません。
宿泊のある学校行事の際などには、薬を飲むことについてお友達から聞かれるらしいのですが、「僕には発達障害というのがあって、みんなが簡単にできることが僕にはとても苦手だったりするから、薬を飲んで少しでもみんなみたいに頑張れる様にするんだ」と説明しているようです。
将来への不安と課題
いつまで薬を飲み続けるかという問題
息子と薬の服用はうまくいっているように思えます。
しかし、前述の通り「薬の服用は中学三年生くらいまで」と言われていましたが、個人差や特性の出方、症状の差もあるのでしょうが、息子の場合、まだ先は見えていません。
さらに、先日の受診では先生が「もしかしたらこの向精神薬はずっと飲み続けることになるかもしれない」というのです。
内心「え?」と私は思ってしまいました。
「中学生くらいまでという期限のある服用で、息子が楽になるなら薬を飲んだほうがいいのではないか」と薬を飲み始めるときに思いました。
それなのに、今度は「この先も」になるかもしれないというのです。
息子の将来を考えると今はまだ受け入れることができませんが、でもそれが現実なのでしょうか。
様子を見つつ、しっかりと主治医と相談しながら考えていきたい課題です。
車の運転と向精神薬
息子は小さい頃から車が大好きで、18歳になったら免許を取って自分の好きな車を買うことをとても楽しみにしています。
今の息子は好きな車とすれ違えば振り返り、ネットや雑誌で好きな車の情報を収集しています。
価格帯や性能、型式などを時間があれば眺めて、貯金の目標額を考えてもいます。
「免許を取得して車を買う」……これが実際可能かどうかは別としても、親としては「希望」はとっておきたいのです。
しかし「これからも」向精神薬を続けるとなると話は変わってきます。
薬を服用しているからといって免許が取れないとは限りませんが、薬の中には眠気を起こすようなものもあります。
薬を切り替えた時に体調を崩すこともあるかもしれませんし、その時息子に「運転ができるような体調かどうか」判断できるでしょうか。
こちらも我が家の大きな課題のひとつです。
精神障害者保健福祉手帳について
息子の発達障害(ADHD)は知的障害を伴わないタイプであるため「療育手帳」は取得できませんが、「精神障害者保健福祉手帳」は取得できます。
療育手帳と精神障害者保健福祉手帳では大きな差があります。
将来の就労等も視野に入れ、こちらも今後考えていかなければならない課題のひとつです。
☝[参考に]【障害者雇用】障がい者枠で働く私の体験談【メリット/デメリット】/発達障害者の就職を成功させる21のポイント
最後に
小学生の時、引越しのため主治医の先生から薬の処方を引き継いだ新しい先生が、「この子は自分が本当に救えるのだろうかと不安になった」と後になって話してくれました。
それほど最悪な精神状態だった息子を、薬が楽にしてくれたのは確かで、あの時には必要なものだったと思っています。
しかし、成長とともに増える薬の数と変更に、親としては将来の不安を覚えます。
「今後、就労し自立していく息子に薬が続くのなら、それは息子にとって良いことなのか……」「逆に、社会からことあるごとに嫌な目を向けられることにはならないか」とどうしても考えてしまいます。
最近は大人の発達障害が理解されてきています。
「息子が大人になった頃には働きやすい社会になっていると良いな」と願わずにはいられません。
記載されている薬について
【コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)】
〔効果〕
- 中枢神経刺激剤と呼ばれるグループに属する薬です。
- 脳内の神経伝達物質の働きを強める作用により、中枢神経系が刺激され、ADHDの症状である「注意力散漫、衝動的で落ち着きがないなど」を改善します。
- 6歳未満の幼児における有効性および安全性は確かめられていません。
〔使用中の注意〕
- 小児がこの薬を長期間使用した場合に、体重増加の抑制や成長の遅れがある場合があります。
- この薬を続けて飲んでいると、薬をたくさん飲みたいとか、薬がないといられない気持ちになるなど薬物依存の症状があらわれる可能性があります。
- ADHDの症状としてしばしば見られる攻撃性が、この薬の使用中にもあらわれたり悪化する場合があります。
〔主な副作用〕
食欲減退、不眠症、体重減少、チック、睡眠障害、頭痛、腹痛、悪心
〔参考〕
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
医療用医薬品 詳細表示 コンサータ錠
http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/800155_1179009G1022_1_13#WARNINGS
患者向医薬品ガイド
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/800155_1179009G1022_1_13G.pdf
【ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)】
〔効果〕
- ADHD治療剤と呼ばれるグループに属する薬です。
- 脳内の神経伝達物質の働きを調節する作用により、ADHDの症状を改善します。
- 6歳未満の幼児における有効性および安全性は確かめられていません。
〔使用中の注意〕
- 小児にこの薬を使用した場合、使用初期に体重増加の抑制や成長の遅れがある場合があります。
- この薬を使用中の小児において、死にたいと考える事等があります。家族が注意して観察することが必要です。
- ADHDの症状としてしばしば見られる攻撃性が、この薬の使用中にもあらわれたり悪化する場合があります。
- 幻覚などの精神病性またはそう病の症状をおこす場合があります。
〔主な副作用〕
頭痛、食欲減退、傾眠、腹痛、悪心
〔参考〕
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
医療用医薬品 詳細表示 ストラテラ錠
http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/530471_1179050M1023_1_15#CONTRAINDICATIONS
患者向医薬品ガイド
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/530471_1179050M1023_1_15G.pdf
【インチュニブ(グアンファシン塩酸塩)】
〔効果〕
- ADHD治療剤と呼ばれるグループに属する薬です。
- 脳内の神経伝達物質の働きを調節する作用により、ADHDの症状を改善します。
- 6歳未満の幼児および18歳以上の人における有効性および安全性は確立していません。
- 18歳未満でこの薬の治療を開始し、18歳以上以降も使用し続ける場合には、定期的にこの薬の有用性の評価が行われます。
〔使用中の注意〕
- 高度な血圧低下、脈拍数の減少があらわれ、失神にいたることがあるので、使用前や飲む量を変更した1~2週間後などに血圧や脈拍数の測定が行われます。
- 心血管系への影響(高度な徐脈、低血圧)があらわれることがあります。心血管疾患のある人は心電図検査が必要です。
- ADHDの症状としてしばしば見られる攻撃性が、この薬の使用中にもあらわれたり悪化する場合があります。
- この薬を使用中の小児において、死にたいと考える事等があります。家族が注意して観察することが必要です。
- ADHDの患者さんにおいて、攻撃的になったり、敵意をもったりすることがしばしば見られますが、この薬の使用中にも攻撃性や敵意があらわれたり悪化する場合があります。
- この薬の使用により体重が増加することがあります。
- 眠気や鎮静などがあらわれることがあります。
〔主な副作用〕
傾眠、血圧低下、頭痛
〔参考〕
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
医療用医薬品 詳細表示 インチュニブ錠
http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/340018_1179057G1021_1_03#CONTRAINDICATIONS
患者向医薬品ガイド
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/GUI/340018_1179057G1021_1_03G.pdf
【向精神薬について】
合併症の症状を改善するために向精神薬を処方される場合があります。
<例>
- 広汎性発達障害やその要素がある場合・・抗精神病薬など
- 統合失調症や気分障害の場合・・抗うつ薬、抗不安薬など
- てんかんと関連する場合・・・抗てんかん薬
〔参考〕
公益社団法人 発達協会 王子クリニック
薬と医療ミニコラム/薬物療法が必要なときとその実際
http://ojiclinic.jp/kusuri/yakubutsu.html
※これらの薬は、使用する前に患者さんやその保護者が、この薬の治療上の位置づけ、副作用発現などのリスクについて医師または薬剤師から十分に説明を受けてください。
また、体調がよくなったと自己判断して使用を中止したり、量を加減したりすると病気が悪化することがあります。指示どおりに飲み続けることが重要です。
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