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学校生活を送る上で必要な動作や行動など、健常児なら当たり前に身についていくことがなかなか身につかないのが発達障害児です。
その子たちが学校生活で困ることが多いことを挙げて、どう対処したらよいのか、どのように家庭と連携していくとよいのかが書かれている本です。
この本は、一つの困りごとについて、「どこがむずかしそうですか?」と、いくつかの段階の子ども本人の困りごとをあげてくれているのが大変いいなと感じました。
それぞれの発達段階に応じて、同じ「着席できない」という問題でも理由となることが違います。
すると対応も変わってきますよね。
この本では、すべての事例についていくつかの発達段階で解説されていますので、自分の子どもが今どの程度までならできているのかな、何に困っているのかなというのを理解するきっかけになります。
私が大変参考になったと思ったのが、トイレについてです。
自宅のトイレは洋式便座で、子どもたちは男の子ですが、「トイレは座って使う」のが我が家のルールです。
そういう家庭は多いですよね。
しかし、学校の男子トイレは立ったまま使用する小便器があります。
そこで用を足すときに、高学年になっても、下着まで全部下ろさないと使用できないのです。
濡らしてしまうかもしれないのが心配なようですが、立ったまま使う便器はなぜか外から見える場所にありますよね。
下着を全部下ろさないとできないということは、お尻が全部出てしまうので廊下から見えてしまいます。
それだと恥ずかしいですよね。
それについて、下着の重なり部分を深めにカットすると不器用な子どもでも出しやすい、と、下着の加工をお勧めしていました。
これを知っていれば「もっと早くに教えてあげたかった、対応してあげたかった!」と思いました。
先生や学校関係者向けの本なのですが、学習についてや給食についての工夫など、親が様々な段階での色々な対応方法を知っていれば、「学校ではこういうことに困っています」と相談されたときに「こういう方法はどうですか」と提案することができるので、学校生活で困っていることのあるお子さんの親御さんはぜひ読んでみてください。おすすめです。
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