【amazon評価】★★★★★★★
思ったことがすべて口から出ているのではないかと感じるくらいに一言多い長男は、口が災いしてか友達関係のトラブルが多くありました。
そんな長男に、会話やコミュニケーションについての学習、ソーシャルスキルトレーニング(SST)を受けさせてあげたいと考えていましたが、田舎に住んでいたこともあり、SSTを行っている施設が通える範囲になく、小学生のうちになんとかしたい、家でできることはないか、と考えて資料を探している時にこの本を見つけました。
1部は会話のトラブルが多い子どもたちの5つのケースが挙げられています。
その中の、「Eくんのケース:口げんかの末に刃物を持ちだし大事件に・・・」というのがあるのですが、刃物とまではいかずとも、喧嘩の末に定規や鉛筆を持って脅すということが実際起こっていたこともあり、藁にもすがる思いでした。
本人の言い分は、「先に言葉で攻撃してきたのは相手のほうだし、相手は謝ってくれないし、自分の心は殴られたのと同じように傷ついている。何でお母さんまで謝らないといけないのか。僕だけ謝るのはおかしい!」でした。
確かにそれも間違いではないでしょう。
しかし、手を出してしまったら「負け」なのです。
その事もこの本には書かれています。
先生や私がどれだけ話しても、長男には理解してもらえませんでした。
長男に本を渡して読んでもらいましたが、納得はできていない様子でした。
そこを納得できなくても受け入れられるようになること、ある意味コミュニケーションの損得計算ができるようになることがSSTの効果だと考えています。
2部では、発達障害児のコミュニケーション能力について、どのような特性がどのようなコミュニケーションに出ているのかの解説があります。
ここでは対応方法として周りの理解を深めてもらうことと、本人にSSTを活用してコミュニケーションを学んでもらうという対応方法が出ています。
また、意外と使えない「困っています」という意思表示のための「たすけてワード」が紹介されています。
3部では実際にSSTを行う際の注意点が書かれています。「辛いトレーニングでは逆効果」は本当にそうだと感じます。
親子の関係は近すぎるので、お互いに甘えが出てついゆるんでしまったり、けんか腰になったりしがちです。
我が家では何度かためしてみましたが、SSTの時間を持つことは長男には無理があったようで、イヤ!と言ってやらなくなってしまいました。
しかし、SSTとは日々の生活を楽にするためのものなので、日々の生活の中にこっそりと折りこんで、家族と長男のコミュニケーションを観察して、電話中のおばあちゃんに話しかけようとしている長男に「今、おばあちゃんは電話中だけど話しかけてもいいときですか?」と質問するなど、構えずに取り組めるようにしてみました。
4部にある、子どものコミュニケーションを伸ばすために親ができること、の「子どもの言い分を、くちをはさまずに聞く」は、親がかわらなくてはいけない、親にもコミュニケーションのトレーニングが必要と教えてくれます。
つい途中で叱ってしまったり、そこが悪かったね、と途中で言ってしまったりしそうになりますが、ぐっとこらえて子どもの気持ちをしっかり聞くことが必要なのだとわかりました。
また、最後のページには、親が子どもを褒めるときに使える「ほめワード」も載っています。
意外と褒めるのは難しいので参考になりました。
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