【amazon評価】★★★★★★★
発達障害児についての本はたくさんありますが、「その家族」に焦点を当てたものはあまりなかったため、手に取りました。
一、二章は広汎性発達障害の子どもの特徴、病院ではどのような治療が行われるのか、そして、子どもをどう理解するのかが書かれています。
三章では【相談や療育をどこで受けることができるのか】が発行時の浜松市の例を挙げて解説されており、そして、第四章では【幼児期から中学生までの成長とともに現れる気になる行動】が、それぞれの時期ごとに例を挙げて紹介されています。
ここまでは、子どものこと・子どものためのことですが、五章からは親のことが書かれています。
第五章[親だって支えが必要]、見出しからして親御さんの心を掴むものですよね。
親が辛い気持ちを医師に話してもいいということや、親子の会、青年当事者の会や、ペアトレについても紹介されています。
親がどこにどのように相談したらよいのか、親の気持ちはどこで受け止めてくれるのかが紹介されているのです。
子どもに障害の診断が付いたばかりで、どうしたらよいのか困っている家族にはぜひ読んでもらいたいです。
第六章の[幼稚園保育園学校、どうなる?]も、ぜひ読んでおくことをお勧めします。
こちらでは、どのようなことをしておいたらよいのか、どのようなことが起こり得るのか、どう伝えることで園や学校との連携がうまくいくのかが紹介されており、また、特別支援学校についての説明も書かれています。
そして、子ども自身の将来のために、子どもの発達に応じた療育を勧めています。
障害は治るものでは無いですが、障害があるから発達できないというものでもありません。
そのことを、この本では「治すのではなく伸ばす」と紹介しています。
障害があることが解ったからこそできること、子どもの将来のために療育や相談をして行くべきだと書かれています。
そして最後には、全国の発達障害者支援センターと児童相談所の連絡先が載っています。
つい、どうしたらいいのかと家の中だけで考えてしまいがちな家族に対して、家族だけで抱え込まず、相談することを勧めてくれる本です。
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