児童精神科医が教えるHSCとの関わり方 子どもの敏感さに困ったら読む本

児童精神科医が教えるHSCとの関わり方 子どもの敏感さに困ったら読む本
【著者】精神科医十勝むつみのクリニック院長 長沼睦雄
【amazon評価】★★★★★★

近年話題になっている、過剰な敏感さがあることで生きづらい人について書かれた本です。

生まれつき刺激に対してとても敏感な人をハイリーセンシティブパーソン(HSP)と呼び、子どもの場合はハイリーセンシティブチャイルド(HSC)と呼びます。

この本では、そのような繊細な感性を持った子ども達をどう受け止めて、どういった手助けができるかについて説明されています。

私にも聴覚を始めとした敏感さがあるため、書いてあることが非常によく分かりました。

アンテナ感度が通常よりも良いため、多くの情報を無意識に拾ってしまって疲れやすい傾向があるのだと自覚があります。

自分自身でそのことに気が付いたのはずいぶん大人になってからで、その考え方と出会ったときは、人生の答え合わせができたような、パズルがピタリとはまったような、不思議な気持ちになったことを覚えています。

また、このような書籍が出るということは、私と同じように感覚の鋭さで悩んでいる人が少なからずいるのだということで、その事実も私を勇気づけてくれました。

人が何でもないように自然に受け止める程度の感覚も、大きな刺激やストレスのもととなるため、その不快さを理解してくれるひとが周りにいると安心できるということは非常に納得できます。

我が子は五感すべてにおいて感覚の鋭さをもっているので、私よりもいっそう、生活の中でストレスにさらされているのだと想像できます。

また、HSCは診断名ではなく、日本で概念が知られ始めてからまだ3年ほどしか経っていません。

自閉症などの発達障害でも感覚過敏の症状がある人もいますが、発達障害とHSCはイコールではありません。

HSCは病気や障害とは違うもので、発達に課題を持たない人にもHSC気質を持った人はいるとのことです。

我が子が受診している発達外来でも、医者から「本人が感じた辛いという感覚は、すべて大げさではなく、本当のことだと受け止めてあげてください。感じることを否定しないであげてください。辛さの程度は本人にしか分からないし、その感じ方は間違っていないんだよと安心させてあげてください」と言われました。

これはHSPである私にもとても響く言葉で、「なぜ人よりも疲れやすいのだろう?感じやすいことで、できないことがたくさんある…」と、自分を肯定的に捉えられなくなりそうな気持ちを払拭してくれるものでした。

こうした感じやすいという気質は、上手く付き合っていくことで、長所にもなり得ます。繊細で気遣いができて人への共感力が高いという点は、社会に役立てられる才能でもあるのです。

自分や子どもの気質をきちんと知り、生活しやすい環境を家族で作って、みんながご機嫌で過ごせるように努めたいなと思わせてくれる本でした。

0

コメント