【amazon評価】★★★★★★
この本は保護者が「子育て」方法について学ぶためのシステム、ペアレント・トレーニングの受け方から家庭での実践の仕方までを解説している本です。
私は児童相談所で開設していたペアレント・トレーニングの講座を受講しましたので、この本を読むと復習になり、つい忘れがちなペアレント・トレーニングの基礎を思い返すよいきっかけとなっています。
解説がわかりやすく、読みやすいスタイルなので、これからペアレント・トレーニングに取り組んでみようとする家族にもお勧めできる本です。
はじめのページにかかれている言葉、「うちの子にはほめるところがない」。
私は何度か思ってしまったことがあります。
「ペアレント・トレーニングを受けることで、自分の子どもだけが劇的に変わるわけではありません。一番変わるのは親御さん本人」だとこの本にも書かれています。
親の対応を変えることで、子どもから戻ってくる反応が違うものになっていくのです。
親といえども、この難しい子育てを望んでしているわけではありませんよね。
自分なりに子どもへの働きかけがうまくいくようにと工夫しているのに、逆効果だったり解決につながらなかったりすると、大人もやる気がなくなってしまいますよね。
怒ってばかりの自分が嫌いになりかけていませんか?
私はペアレント・トレーニングを受ける前がまさにそうでした。
この本は、具体的にペアレント・トレーニングの講座ではどのようなことをするのかも実例で紹介されています。
どのようなことをするのかわからない場所に行くときは、大人でも緊張しますよね。
この本で予習することで、新しいことに対して心構えが必要な人、特に自分がどんな格好で行けばよいのかまで気になってしまう人には、大変助かる解説がされています。
講座が前半と後半に分かれていること、前回の復習を毎回やること、毎回宿題が出ること、ロールプレイと呼ばれる実演があることなど本当に詳しく解説してあります。
その次に、実際にペアレント・トレーニングで学ぶ内容も紹介してあります。
我が子たちには、トークンシステムや、やめてほしい行動には反応しないことなどが特に有効で、自分の行動を変えることで子どもがこんなにも変わるものなのだと学べたのは大変大きな収穫でした。
最後に、全国でペアレント・トレーニングがうけられる医療機関などの紹介もありますが、初版が2009年で情報が最新ではない場合もありますので、これには注意が必要です。
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