発達障害の特徴と原因は? 注意しなければいけないことはなにか?

発達障害

発達障害の特徴と原因は?
注意しなければいけないことはなにか?

▼発達障害の概要▼

一般的に発達障害と言われるものは、

・自閉症などの広汎性発達障害(PDD)
・注意欠陥多動性障害(ADHD)
・学習障害(LD)

の三つに分けられ、『自閉症』と『注意欠陥多動性障害(ADHD)』の発達障害を両方持っているお子さんも多く存在します。

また、発達障害を発症するのは、女児よりも男児の方が多いと言われており、これは、遺伝子や性ホルモンなどの違いで男児の脳が女児の脳よりも、なんらかの影響を受けやすいためだと考えられています。

①広汎性発達障害(PDD)

広汎性発達障害の中でも、

・アスペルガー
・小児期崩壊性障害
・高機能自閉症

などが含まれるグループには、『自閉症スペクトラム』という名前がついています。

②注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害では、ADHD

・不注意過ぎる
・衝動的過ぎる

といった多動的な行動が目立つ症状が現れます。

③学習障害(LD)

学習障害は、

・読字障害
・書字表出障害
・算数障害

などがありますが、学習障害を持つお子さんは、全てが苦手なわけではなく、特定の分野の学習が苦手であることが一般的です。

▼注意しなければいけないこと▼

知能指数も発達障害を持っているお子さんと発達障害を持っていないお子さんに変わりはなく、知能指数が明らかに高い発達障害のお子さんも多く存在します。

ですが、発達障害を持つお子さんは、発達障害を持たないお子さんと比べると問題に対する対応が乱雑に見えることが多く、感情の表し方も大きく異なります。

乱暴に感情を表し、他のお子さんを攻撃したり、自分の頭を強く叩いたり壁に叩きつけるなど、自傷行為をするお子さんも多く存在します。

adhdまた、よく落ち込んで自分を責めてしまうため、学校などで社会生活を送るときに問題が生じることが多く、学校でいじめを受けてしまったり、自分を肯定できず、うつ状態になることもあります。

攻撃的な面が多く出るお子さんは、小学校高学年や中学生になると反社会的な行動に走ることもあり、

『反社会的なグループだったら活かせるのでは・・・』

と感じてしまうお子さんもいるので、注意深く見守る必要があります。

また、家庭でも親御さんがお子さんとの関係に悩むことが多く、お子さん自身もどう対応すれば良いのか分からず、心のままに行動をしたことが問題児として扱われてしまうので、大きなストレスを抱えてしまうことも。

▼発達障害は、心理的な環境のせいではない▼

・ADHD
・多動症
・注意欠陥多動性障害
・学習障害

といった発達障害は

・家庭環境
・親御さんのしつけ
・親御さんとの関係

が原因だと思いがちですが、お子さんの心理的な環境が悪いからというわけではありません。
発達障害
『厳しくしつけ過ぎたせいで、ストレスを感じて脳が変質してしまったのではないか』

と相談をする親御さんもいれば、

『他の兄弟ばかり可愛がってしまったことが原因なのでは・・・』

と反省する親御さんもいますが、それが原因ではないということは、学術的に立証されています。

発達障害には様々な種類がありますが、その種類ごとに様々な研究が行われてきました。

研究の内容は、

”なにが原因で発達障害が起こるのか”
”その症状はどのように定義されるのか”

などです。

そしていずれの研究によっても心理的な環境には原因がないと示されてきましたが、

ADHD『我が子の発達障害は育児の結果である』

と親御さんが責任を感じてしまうことが多く、少しずつ正しい理解が進んできてはいるものの、社会的には、そこまで理解は進んでいないのが事実です。

また、発達障害を持っていないお子さんの親御さんは、発達障害について深く知らないために、過度に発達障害児を恐れ、

「自分の子どもが発達障害を持つ子から暴力を振るわれないか」
「子どもに悪影響が出ないか」

などの質問を学校の先生にすることもあります。

例えばADHDは

”上手に子育てをしていないから”

と考えられがちですが、実際は

”他の発達障害と同じように、脳の行動や感情のコントロールを司る部分が健常児と異なる”

ことが原因で起こります。

また、ADHDは、

”攻撃的であったり多動的で落ち着かない”

といった負のイメージが強く浸透しています。

これは、そういった症状を持つお子さんが、学校などの社会で目立つからでしょう。

ですが、実際は、大人しいタイプのADHDのお子さんの方が多く、目立たないがために、
発達障害
”印象に残らず、発達障害も持っている子どもであると気付かれない”

といったこともあり、お子さんの親御さんでも気付いていないこともあります。

しかし、そのようなお子さんであっても、社会で生きづらさを感じて孤立することがあります。

それは、このような知識を当事者でない親御さんやお子さんは知らないからなのです。

『発達障害を持つお子さんの親御さん』
『発達障害を持たないお子さんの親御さん』
『学校の先生』
『子どもたちを含む社会全体』

が、発達障害について正しい理解をする必要があります。

▼発達障害の原因▼

発達障害は、生物学的な問題です。

ある遺伝子を持っているお子さんのうち、発達障害として現れるお子さんもいれば、そうならないお子さんもいるということです。

その原因の遺伝子は、とても多くの種類があることが分かってきています。

原因遺伝子については、現在研究が進められており、まだわからない部分も多く、発達障害ではないお子さんでも、発達障害の原因の遺伝子を持っていることもあると言われております。

また、発達障害を持つお子さんが特別なわけではないのですが、昨今環境に問題がある可能性が示されてきています。
栄養
それは栄養の問題です。

胎児のころには、母親が摂取した栄養を受け取り、臓器が作られ、脳の神経も、胎児期の初期に作られます。

ですが、その胎児の頃に適切な栄養が得ることができずにいると、発達障害の原因となることがあるというのです。

また、幼少期に栄養が不十分なことも発達障害の一因となる可能性があります。

低体重で産まれた赤ちゃんが、中枢神経になんらかの影響を受けて発達障害を発症する可能性も示されてきていますが、多くの方は栄養を適切に摂取されていると思います。

栄養が極端に不足した場合が問題となっているので、少しくらい栄養のバランスが悪い食事を取ったとしても、発達障害の原因にはなりません。

まだ詳しくは分かっていないことも多いのですが、米国の小児科学会は、子どもの発達障害と有機リン系の農薬などの農薬の関係についての報告をまとめています。

有害な化学物質を避けることは、子どもにとっても大人にとっても有益といえる為、今からでも有害な化学物質を避けることが好ましいと言えます。

▼本当に発達障害なのかどうか▼

当たり前ですが、人はそれぞれ個性が有って、性格や感じ方も一人一人違います。
遺伝子
それは、個人を構成する遺伝子が異なるからなのです。

遺伝子の情報によって私たちの体つきや声、性質などが決まり、その中でも発達障害は、様々な個性の平均からはみ出た部分が多い子どもを当てはめているとも言えます。

発達障害は、現代社会で少数派であり、社会に適合しにくい為、障害と名付けられ対応策が探られるのですが、他のお子さんよりも劣っているというわけでは有りません。

人間の優劣は、医学的に判断されるものではありませんし、皆等しい価値を持っています。

近年、発達障害と診断されるお子さんが増え続けておりますが、それは発達障害についての研究が進み理解が進んだ為だと考えられます。

発達障害についての研究は、診断基準も精度が上がり、細かな発達障害の兆候についてもどんどん詳しくわかってきているため、今までであれば発達障害を持つ子お子さんと発達障害を持っていないお子さんの境界にいると判断されていたお子さんでも、発達障害の基準を満たすと認められるようになってきました。

また、親御さんの理解が進み、医療機関を訪れるお子さんが増えたため、

『少し扱いにくい子だ』

という程度で診断がつかなかったお子さんでも発達障害の診断をつけてもらえるようになりました。
ADHD
発達障害は個性の違いとも捉えられます。

障害という言葉に捉われず、お子さんの個性を伸ばす援助方法を模索しましょう。

▼親御さんの不安について▼

発達障害を持つお子さんの親御さんは、発達障害を持たないお子さんの親御さんよりも、生きがいを感じにくいことが報告されており、育児のストレスや不安、疲労感も多いのが特徴です。
虐待 うつ病
さらに、発達障害のお子さんを持つ親御さんは、うつ病にかかるリスクや子どもを虐待するリスクも高いとされています。

つまり、それほど親御さんは精神的な負担を感じているということです。

親御さんが発達障害を持っておらず、お子さんのとる行動を理解できない場合、否定的な感情を抱いてしまうため、お子さんの発する言葉や、行動に恐怖をおぼえてしまうのです。

さらに、こういった場合、外からは好奇の目で見られることも多く、お子さんを信じられず、親御さんは二重に苦しい思いをしてしまいます。

発達障害を持つお子さんは少数派だからこそ、親御さんは強い孤独感をおぼえ、情緒不安定になりがちですが、近年発達障害を持つお子さんの親同士の交流会も多く存在します。

同じ悩みを共有できるため、孤独感を和らげるかもしれません。

もし、孤独に感じてしまう時は、一度そういった交流会に参加してみるのもいいかもしれません。

また、お父さんとお母さんの捉え方に差があることも良くありません。

例えばお父さんが、お子さんの障害を認めずに性格の問題であるとして、

『強く叱る』
『行動を正そう』
『更生させよう』

とすることがありますが、発達障害を持つお子さんにとって良い影響を与えません。

性格の問題ではなく、脳の構造が原因なのですから、叱るだけでは、いたずらにお子さんの自尊心を傷つけることになってしまいます。

お母さんとお父さんが、障害を受け入れ、知識を同じように得て、同じ方向を向いてお子さんと向き合う必要があります。

そして、親御さんが心身ともに健康であることは、お子さんの適切な発達にとても大切と言われております。
家族
お子さんの発達障害は、親御さんの育児の結果起こるものではありませんので、自分を責めて落ち込む必要は全くないのです。

逆に、うつ状態になってしまうとお子さんの発達にも良くない影響が出てしまうおそれがあるので、心を明るく健やかにお子さんの可能性を信じてサポートをしていきましょう。

▼お子さんを信じる▼

発達障害を持つお子さんが発する言葉は時に過激で、親御さんも戸惑うことは多いでしょう。

また暴力的な面には恐怖をおぼえることもあるでしょう。

しかし、お子さんの発する言葉が、発達障害でない人の発する言葉と同じと捉えて恐れる必要はありません。

発達障害を持っている子は、脳の構造が少し違うために過激な言葉が出てきてしまうのです。

発達障害を持っているお子さんの心が、発達障害を持っていないお子さんのの心よりも汚いだとか荒れているということではありません。

暴力的な行動も、本人のパニックから出てきています。

まずは、お子さんを理解して、受け入れ、愛情を持ってサポートをし、状況を良くしていきましょう。

周囲の理解がない事が、とても大きなストレスである方は多いでしょうが、そういった時は、ブログなどを通じて情報を発信してみてはいかがでしょうか?

周囲の理解を深めることになるのでオススメです。

発達障害を持っているお子さんが社会で生きづらさを感じ、うつなどの二次障害を発症することもある現状は、あるべき社会の姿ではありませんし、私たちは、発達障害を持つ子どもたちが堂々と、社会で活躍できるような社会を作りあげていかなければなりません。

その方法を、

・社会
・発達障害を持つお子さんの親御さん
・発達障害を持たないお子さんの親御さん
・学校の先生
・お子さんを持たない方

など『全員』で模索していく必要があります。ADHD

それは成熟した社会にとって必要なことです。

この先、研究もどんどん進みます。

企業や学校、NPOなども行動を起こしていくように進めていくことが大切です。

▼参考文献▼

Thomas E.Brown (2015)
「ADHD FROM Stereotype Science」
Educational Leadership

飯島恵(2005)
「発達障害児の問題点と対応」
順天堂医学会学術集会

和田浩平(2016)
「高機能広汎性発達障害児をもつ父母の心理的体験と社会的援助の在り方」
名古屋大学

黒田洋一郎、純子(2013)
「自閉症・ADHDなど発達障害増加の原因としての環境化学物質」
KAGAKU

坂爪一幸(2012)
「発達障害の増加と懸念される原因についての一考察」
早稲田教育評論

松本歩(2014)
「発達障害の原因遺伝子の同定・解析」
自治医科大学大学院医学研究科博士課程学位論文

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