発達障害児の就学準備の心得や入学後に新たにでてきた困りごとについて【体験談有】

入学

就学準備とひとくちに言っても、就学先やサポート体制の準備、子どもに合わせた必要な文具など、細かい準備は山ほどありますね。

この記事では、発達障害児にかかわる就学準備の心得や、学校選びの目安となる情報、入学後に起こりがちな様々なトラブルの対策や対処法について、体験談をもとにご紹介しています。

ぜひ参考にしてくださいね。

1.子どもの特性に合わせた就学先とは

小学生幼稚園や保育園を修了すると、いよいよ小学校へ入学です。

それまで通い慣れていた施設から離れ、環境がガラッと変化してしまうため、戸惑いや不安を抱えてしまう親御さん達もおられることでしょう。

「発達障害児の特性に合わせた就学先を選びましょう」……このフレーズは親御さん達がよく耳にしてきた言葉だと思います。

しかし、いざ子どもに合う就学先を決めるとなると、何を基準に判断したら良いかわからなくなるものです。

まずは、親御さんが必要な情報を集め、子どもがより楽しく学校生活を送れるよう全面的にサポートしていきましょう。

以下、就学先を選ぶためのポイントを3つご紹介します。

ぜひ、就学準備にお役立てくださいね。

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1-1.クラスの人数を把握する

小学生発達障害児の中には、感覚過敏を持つ子どももたくさんいます。

そのため、クラスの人数や全校生徒数があまりにも多い学校の場合は、会話の声やざわつきを敏感に感じ取り、不快な雑音として反応してしまうことがあります。

そうすると、相手の声や話している内容を正確に理解できず、授業が思うように進まないことがあるのです。

我が子の場合、幼い頃からピアノの音色や周囲のちょっとした声が苦手で耳を塞ぐ場面が何度かありましたが、就学先を見学した際も、クラス30人の集団に驚いてしまい、体が固まってその場から動けなくなってしまったのです。

大人数の輪の中へ入ることが初めてでしたので、我が子は相当混乱したのでしょう。

そういった経緯から、就学相談でアドバイスをいただいたことは、子どもによっては大人数が合わず少人数が望ましい場合もあるということ。

これを機に、就学先のクラス人数や全校生徒数を可能な限り把握し、我が子に合った少なすぎず多すぎないクラスや学校を選ぶことに決めました。

現在は、以前のように混乱する姿もなく、15人程度の通常学級(1年)で支援員のサポートを受けながら学習しています。

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1-2.特別支援学級や通級指導教室の前例のある学校を選ぶ

学習支援員就学先を選ぶ際は、子どもに合わせた学校のサポート体制も重要です。

通常学級に在籍しながら、個々の課題に応じて学習を進める通級指導教室、もしくは通常学級で支援を必要とする子どもを中心に学習支援員をつける場合があります。

どちらも、生活支援員や学習支援員の手厚いサポートを受けられるので、子どもや親御さんも安心して学校生活を送ることができます。

また、特別支援学級は全ての小学校に設置されているわけではありません。

子どもへの対処法や学校全体のサポート体制を考えると、できるだけ前例のある就学先を選ぶようにしましょう。

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1-3.学校見学や情報収集は目安として活用する

教室就学先を決める際は、手厚い支援はもちろん、学校全体の雰囲気も大切です。

地域性や風潮もあるのでしょうが、下記のように大きくわかれます。

  • クラス一つ一つに扉がついた昔ながらの学校
  • 扉が撤去された建物じたいの造りが開放感のある学校

我が子の場合は、すでに多動症は治まってはいたものの、教室から飛び出してしまった時のことを想定して扉がついている学校を視野に入れるようにしました。

経験のある保護者に我が子の多動面を相談したところ、扉がついていると子どもが教室から抜けだしそうになった時にギリギリのところで防ぎやすいのだとアドバイスをもらいました。

我が子は現在も、注意散漫と過集中の激しい子ですが、できるだけ廊下を通る人や物音に気を取られないよう教室に扉のついた学校を選ぶことで、抜け出すこともなく、一瞬気を取られることはあっても先生の声掛けでしっかり授業に参加できているようです。

大人が雰囲気の良い職場を理想とするように、子ども達にとっても6年間通い続けなければいけない学校ですから、個々の特性に合わせた過ごしやすい学校選びが重要になります。

就学先の情報や見学は、あくまでも目安です。

ぜひ、お子さまの特性にあわせた学校選びの参考にしてください。

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2.就学準備に必要なこと

就学準備発達障害を抱えるお子さんや親御さんにとって、入学準備は、ワクワクしながらも多少の不安があることでしょう。

先生に誘導されていた幼稚園や保育園とは違い、小学生になると自発的な行動が必要になってきます。

これは、学習面でも言えることですが、一年生の場合は生活面で必要な場合が多く、ひとりで通学できることや、身支度をおこなえることがとても大切です。

まずは、就学前に準備をして子どもが学校へ通いやすくなるよう環境を整えておきましょう。

就学準備をすることで親御さんの気持ちや時間にも余裕が生まれます。

以下、就学準備に必要なことを5つ挙げてみました。

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2-1.時間配分の練習

通学_親子小学一年生になると、起床時間や登校時間、一日のほとんどを予定通りに過ごさなくてはいけません。

そのため、計画的に行動することや時間配分が苦手な発達障害児は、時間の感覚をつかむのに苦労する場合があります。

口で説明されても理解することが難しい場合もあるので、目で見てわかるスケジュール表や周囲の声掛けがあると、本人も気持ちを楽に過ごすことができるでしょう。

我が子の場合は、特に通学路をひとりで往復できるよう繰り返し練習をしました。

当然、初めはひとりだけでは不安でしょうから、親の私が一緒に歩いて通学路を覚えさせます。

自宅から学校までの道のりは片道20分。

5回ほど繰り返した頃でしょうか、時間はオーバーしているものの通学路を完璧に覚えることができました。

通学路をクリアできたら、今度は時間の配分です。

春休み中は毎朝6時に起床し、身支度や朝食を終えたら登校の練習をしました。

時間に余裕を持たせたかったので、朝の7時半には自宅を出られるよう声掛けをし、通学路のイメージ作りを定着させました。

実際に、入学後から約一年たった今でも、何とか遅刻することなく学校生活を送ることができています。

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2-2.成長記録やサポートブックを作成

サポートブック作成いつどんな時に困りごとが起きても対処ができるよう、学校や担任の先生との連携が大切です。

発達障害児は、個々によって特性の現れかたが異なるため、学校側も子どもの特徴をつかむところから始めなくてはいけません。

そのためには、幼児期の成長記録にくわえ、幼稚園や保育園でのできごとや先生の助言などを書き留めた資料があると大変役立ちます。

薬の服用やこだわりの有無などがある場合は、家庭での具体的な対処法をまとめておくと良いでしょう。

我が子の場合は、トイレのマークに強いこだわりを示す子でしたから、地方へお出かけする時は、パーキングエリアのトイレや標識全てに反応し本当に苦労をしました。

そんな経験がありましたので、入学後に担任の先生が対処できるようサポートブックをお渡しすることに決めました。

私の予想は的中、我が子は、やはり学校のトイレの前に立ち止まり、時には執着する姿も見られたようです。

今では、気持ちの切り替えに時間がかかることもありますが、「『〇〇君今は教室へ行く時間ですよ』と声をかけてあげると、納得して次の行動に移せるようになりました」と先生に言っていただけるまでに成長しました。

このように、先生や支援員の適切な対処のおかげで、皆と一緒に学校生活を送ることができています。

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2-3.ランドセルは使いやすいワンタッチロックが便利

ランドセルランドセルを背負う子どもの姿を想像し、ずっと心待ちにしていた親御さん達も多いことでしょう。

ランドセルというのは不思議なもので、どんな子どもも一回りも二回りもたくましく見える、特別なカバンです。

6年間背負う大切なランドセルですから、子どもに合ったシンプルで使いやすいものを選びましょう。

【ランドセル選びで重視する点2つ】

  • ワンタッチロック
  • ポケットが少ないもの

色は、それぞれの好みで問題はありませんが、ランドセルのポケットは少ないものをおすすめします。

発達障害のある子どもは整理整頓が苦手な場合が多く、ポケットの多いランドセルでは保護者の負担が大きい、という話をよく耳にするからです。

我が子も例外ではなく、ポケットが多いと物をあちらこちらにしまい込んでしまうため、毎日持ち歩くハンカチやティッシュを1つにまとめられるよう、ランドセルにはポケットがひとつだけついているものを選びました。

それが良かったのか、ランドセルの中は必要な教材と文具、ポケットには小物を入れるよう習慣化されたように思います。

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2-4.三角鉛筆とキャラクターデザインではない消しゴムがおすすめ

鉛筆と消しゴム入学後は、いよいよ学習がスタートします。

鉛筆を正しく持ち、平仮名やカタカナを書く練習から始めていくことでしょう。

発達障害児は手先が不器用で筆圧が弱い傾向があるため、細くて色の薄い鉛筆が使いづらい場合があります。

数年前、幼児療育センターから通常の鉛筆ではなく三角鉛筆を使用するようアドバイスをいただいたことがありました。

三角鉛筆と言えば「くもんの三角鉛筆」が有名ですよね。

この三角鉛筆は、やや太さがあるので子どもが握りやすく使いやすいのだそうです。

実際に、我が子も使用し、ノートに書き慣れてきたタイミングで通常の鉛筆に切り替えました。

また、キャラクターデザインや香り付きの消しゴムは、子どもの集中力を妨げるおそれがあるため、極力選ばないよう工夫することも大切です。

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2-5.靴選びは重要・マジックテープタイプがおすすめ

マジックテープ靴学校では、上靴を履いて生活することが基本です。

子どもがひとりで靴を履けるようにするためには、靴選びも大切です。

小学校一年生とはいえ、身支度は自分ですることを理想としますので、靴紐がほどけた時に周囲の手助けが必要な場合は、マジックテープタイプの靴を購入しましょう。

これは、外靴も同じことが言えますので、入学時は子どもが履きやすいものを購入し、慣れてきたら個々に応じてヒモ靴や好みの靴を選ぶようにするとよいですよ。

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3.入学後に起こりやすい困りごとは2つ

学校生活学校生活の困りごとは、発達障害児に限らず多くの親御さん達が抱えています。

入学式を無事終えて、やっと学校生活に慣れてきたと思ったら今度は様々なトラブルや困りごとがでてくるものです。

まずは、入学後に起こりやすい困りごとを知り、お子さんとお友達が楽しく学校生活を送れるようサポートしていきましょう。

以下、入学後に起こりやすい困りごとを2つ挙げました。

お子さんの特性と照らし合わせて目安として参考にしてください。

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3-1.忘れ物が多い

連絡ノート宿題や教科書、必要な教材などを、しっかり時間割表で調べたにもかかわらず何かひとつは忘れてしまう……、このようなことが繰り返し起こると、担任の先生から連絡がくることがあります。

我が子の場合は、忘れ物というよりも担任の先生からお願いされたことを親に伝え忘れて初めて事が発覚する場合が多かったので、連絡ノートを用意し、何かあれば記入してもらうようにして改善をはかりました。

以前は、忘れ物を学校へ届けることが度々ありましたが、今では伝え忘れや忘れ物が減り、親の私もより過ごしやすくなりました。

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3-2.子ども同士のトラブルに発展する場合がある

発達障害児は誰かと対話することが苦手な傾向があります。

  • 言葉足らずで誤解を招くことがある。(会話の内容を理解して言葉で伝えることが苦手なため、気持ちが通じ合えないと思われてしまう)
  • 悪気はないが相手に対して素っ気ない態度をとってしまい、相手に不快な思いをさせてしまうことがある。

こういったトラブルは、発達障害児には珍しいことではなく、事前に子どもの特性を周囲に伝えることで大きなトラブルへ発展せず、最小限に抑えられる場合もあるのでおすすめです。

先生_相談我が子の場合は、上手く伝わらない時は、支援員や担任の先生に介入してもらっています。

クラスの人数が少ないことが幸いしてか、今のところは、担任の先生の細かい配慮で大事に至らず過ごすことができています。

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4.学校生活に役立つ対策や対処法

対策対処法学校生活では様々なトラブルがつきものです。

コミュニケーション不足でお友達とうまく関われない時は、先生に介入してもらうようにしましょう。

また、生活面はできるだけご家庭で対策を考えておくと、より子どもが生活しやすくなります。

以下、学校生活に役立つ対策や対処法を3つ挙げました。

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4-1.お片付けの工夫をして習慣を意識する

リビング中心子どもは散らかすのが大好きです。

そのため、朝からお部屋の掃除に追われている親御さんもいらっしゃることでしょう。

親御さんと一緒にお片付けをしていた幼児期とは違い、学校では、一人で机の中やロッカーを整理整頓していかなくてはいけません。

我が子は、整理整頓が大の苦手です。

ある時、担任の先生に確認したところ、やはり机の中が散乱しているとのこと。

先生いわく、「発達障害児に限らず一年生の内はありがちなケースであり、時間をかけて少しずつ改善していけば問題ない」とのこと。

これを機に、お部屋に学習机はあるものの、宿題から全てのことをリビング中心でおこなうことにしました。

親の私が意識していないと、あっという間に我が家のリビングは散らかってしまうため、子ども専用の棚をリビングに設置することに。

我が家は子どもが3人いますから、ついでに3人分を用意し学校に関わる全てのものを整理整頓できるよう工夫をしました。

この対策が良かったのか、帰宅後はランドセルを棚に置き、帽子は棚の横に掛け、ほとんど自分でできるようになりました。

もちろん、担任の先生からも学校の机の中やロッカーもキレイに整理整頓できていると伺っています。

一番、私が嬉しかったことは、宿題をすすんでするようになったことです。

以前は、声掛けをしないと見向きもしない宿題でしたが、常に子どもの目に入る位置(リビング)に教科書や文具が置いてあることで、勉強や宿題に意識が向くようになったのではないかと思います。

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4-2.できないことは繰り返し体に染み込ませる

鉄棒発達障害児に限らず、できないことを自分からすすんでチャレンジすることは、なかなか難しいものです。

例えば、一年生の体育の授業でおこなわれる縄跳びや鉄棒、これらは発達障害特有の体幹の弱さから、上手にできないこともあるかもしれません。

しかし、周囲のお友達に触発されてすすんで行動する場面が見られた時は、チャンスです。

なるべく間をあけず、毎日練習することで縄跳びや鉄棒も少しずつ形になっていきます。

実際に、我が子は縄跳びや鉄棒が苦手でしたが、周りのお友達が楽しそうに遊んでいる姿を見て、「僕もできるようになりたい」と私に伝えてきたことがありました。

真剣な我が子の姿を見て、私も決意。

絶対にマスターさせてあげようと放課後は毎日近くの公園へ行き、縄跳びと鉄棒を練習。

春から開始した練習ですが、1ヶ月で縄跳びが50回跳べるように、夏頃には鉄棒の前回りと逆上がりが完璧にできるようになりました。

初めは、できないことが苦痛で心が折れてしまいそうになることもあるかもしれませんが、繰り返しの声掛けや体に染み込ませていくことが大切なのだと学びました。

まずは出来ないと決めつけないで、計画や目標を立ててチャレンジしてみましょう。

きっと成果が出るはずですよ。

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4-3.短くてもOK!本と触れ合う時間を作る

絵本パソコンやスマートフォンの普及から、本離れが加速していますね。

残念ながら、発達障害児や多くの子ども達にも少なからず影響しています。

そのため、学校全体の取り組みとして読書の時間を設けている学校が多く、現在は本を読むことの大切さを学べる機会が増えています。

我が子の場合は、本は好きでも間違いさがしやなぞなぞが大半ですから、国語の授業をよりスムーズにさせるためにも、まずは読解力や想像力を身につけてほしいと思い、毎日5分~10分程度、本に触れさせる時間を作ることにしました。

初めは、すぐに集中力が切れて、言葉や内容も入り込んできません。

そこで、絵本のタイトルで惹きつけてみようと作戦を決行。

私が用意したのは、「いちにちじごく(地獄)」という真っ赤な絵本です。

一年生には少々物足りないくらい簡単に読み終えてしまう絵本ですが、少年があらゆる地獄を潜り抜けていく内容が、我が子にとっては面白くて、最後までひとりで読み切れる初めての本だったのです。

その後は、少し難易度の高い「大造じいさんと鴈(がん)」という本に挑戦し、読書の時間が以前と比べて圧倒的に増えてきていると実感しています。

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5.学校や先生との連携を徹底しよう

先生_連携発達障害児を学校に通わせる中で最も重要なことは、担任の先生との連携です。

子どもは、どんどん成長するため、家庭でのできごとや対処法を伝えることで、先生自身がより適切な行動が取れるようになります。

また、学校であったできごとも知らせてもらうようにしましょう。

改善されたと思っていたこだわりや新たな困りごとが出てきて、時には親御さんが悩むこともあるかもしれませんが、先生と密に連携を取ることで、必ず解決策は見つかります。

我が子は、何かを気にし始めたら、その場へ立ち止まって一人で考えごとをするようなところがあります。

「気になること」と言うのは、壁に貼ってあるポスターなのか、何かと関連した過去の記憶をたどっているのか、親の私にもわかりません。

この部分は、現在の担任の先生にも既に確認済みで、もしかすると今後、高学年になるに連れて生活面の声掛けや支援が多くなるかもしれませんと伺っております。

正直、ショックもありましたが、以前のように親の私が泣くことは、もうしません。

今の私は、我が子が楽しく学校へ通ってくれている、それだけで心から嬉しいと思えるのです。

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まとめ

小学生子どもが楽しく学校生活を送れることが、親の一番の願いではないでしょうか。

学校へ通うことは、ごく当たり前で簡単なことと思われがちですが、発達障害児と親御さん達にとっては、大きな壁であり、日々挑戦の連続です。

私の経験からですが、学校へ楽しく通う我が子を見ていてつくづく思うことがあるのです。

あの時、就学前の準備を入念にして入学後のトラブルを想定しながら対処してきたことは正解だったと。

学校や担任の先生と密な連携をとることはもちろん、ご家庭で様々な習慣を身に着けていくことが、何より大きな成果を生むものだと信じています。

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