ブレない子育て

ブレない子育て
【著者】栗原泉
【amazon評価】★★★★★★★

モデルの栗原類さんのお母さんである栗原泉さんが出版された手記です。

栗原類さんの本の中でも子育ての様子を語られておられて、もう少し深いところまで詳しく知りたいと思っていたので「求めていたものだ!」と飛びつく気持ちで購入しました。

期待通り、とても詳細な子育ての様子が書かれています。

栗原泉さんはシングルマザーとして出産をされ、ひとりで奮闘しながら生活してこられたそうです。

アメリカでの子育てと聞くと、日本よりも発達支援教育が進んでいるイメージがあり、周囲の理解や協力もスムーズに得られてきたのかな?と想像していましたが、そんな簡単で単純な話は一切ありませんでした。

想像していた以上にひたすら地道で、たくさんの壁にぶつかりながら進んできた歩みが記録されています。

まず、栗原泉さんご自身がアメリカで教育を受けて育っていないため、日本で受けた教育とのルールの違い、親としてのスタンスの違いを感じ取るところからのスタートだったそうです。

日本で受けた教育が当たり前に体へ染み込んでしまっているため、その違いを消化して受け入れることにもかなりのパワーを使われたことと思います。

また、日本より発達支援への理解が進んでいるといっても、発達障害をもつひとりひとりは違っていて、一言で「ADD」とくくることなどできない、異なった特性や個性を持っている事実は、どの土地にいても変わりません。

そのため親としてできることは、ひたすら地道に子どもを観察して、どの方法が合うかを試行錯誤するということに尽きるのだと感じました。

『ブレない子育て』というタイトルが示す通り、嘆くことは時間の無駄とばかりに、子どもにとって今何が必要かを第一に考えて、一貫して前へ進む姿勢をとられている考えにもとても共感しました。

「日々の積み重ね」が成長に直結するからこそ、常に数年先を見て必要なマナーやスキルを身につけさせていきたいという考えも、私が大切にしている軸と同じです。

そして、実際にそういったことを心掛けながら22歳になる栗原類さんの子育てをされてきた栗原泉さんには、これからも注目していきたいと感じました。

親子の人生がたっぷりとつまっていて文章量も多いため、読み切るのには時間が要るかもしれませんが、じっくりと反芻しながら味わいたいとても良い本です。

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