【amazon評価】★★★★★★★★
発達障害の療育についての研究が進んだ北米での代表的な療育方法『ABA(応用行動分析)』をベースに、言葉のかけ方や子どもとの接し方を学べる本です。
発達の偏りがあると感じたり診断を受けたりしても、具体的にどのように子どもに接したら、より良い成長に繋げることができるのか、実生活をどう過ごせば改善されるのか方法が分からない親は多いと思います。
私も生活をする中で「子どもに上手く指示が通らないなぁ」という場面が多くて苦労をしていたため、興味を持って購入しました。
この本では、お子さんが自閉症と診断されたshizuさんの体験を基盤にして、実践的な方法が数多く示されています。
実際に自閉症児を育てる親だからこそ分かる、日常生活のよくある困った場面での接し方が記載されており、数ページを読むだけでもその日から役立てられる情報がたくさんあります。
親が子どもを肯定的に見られるような表現が多く、読んでいると前向きな気持ちになれます。
目標を高く掲げすぎずスモールステップで成長を促すことを基本としているため、親からも子どもを認めて誉めやすく、子どもも課題が定着しやすいため、親子関係が良好になる仕掛けになっていると感じました。
無意識に頑なになってしまっている自分の視点を変えるだけで、子どもへの感情も変わってきます。
子どものできない所に目をむけるのではなく、いい所を頭に描くようにすると、日々のイライラする頻度も変わってくるという点にはハッとさせられました。
挿絵も多く、とても優しい言葉で綴られています。
初心にかえりたいときに度々開き、「また明日からがんばろう!」という気持ちにさせてくれる、背中を押してくれる本です。
基本的には幼児から小学生低学年ごろの子どもに向きそうな内容ですが、子育ての根底としてずっと大切にしたい考え方が学べるので、子どもが大きくなっても家に置いておきたいと思えます。
親だけでなく、幼児教育、学童期の教育関係者、療育施設職員など多数の人にもぜひ読んでいただきたい一冊です。
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