あなたは現在、発達障害持ちの奥様への接し方に悩んでいませんか?
今回は、発達障害のある妻との生活の中で、私自身もうつ病になってしまい、夫婦共倒れ寸前の状態にまでなってしまった体験談をご紹介いたします。
妻との話し方や接し方、そして自分自身の考え方を変えながら1年近く試行錯誤した現在では、妻も一番酷い状態のときに比べればだいぶ良くなりました。
私たち夫婦が共倒れ寸前にまで至ったこれまでの経緯とともに、具体的な体験談を綴っています。
この記事をご覧いただくことで、「自分だけじゃない」「もう少しがんばってみよう」と思い、前を向けるようになるはずです。
是非参考にしてくださいね。
発達障害者の特徴1:強い『こだわり』
妻がとても大事にしていた宝物がなくなってしまったことがキッカケで、2017年の1月頃から彼女の様子が変わってきたと感じました。
そもそも宝物というのが、妻が私と知り合う前にお付き合いしていた元交際相手からもらったというイラストでした。
その彼からイラストをもらっていて、今の今まで大切に持っていたなんて私は初耳。
「なんでなくなっちゃたの!どこにいっちゃったの!あんなに大切にしてたのに!」と彼女が酷く取り乱し、叫んでいるのを見るのは初めてでした。
「そんな以前付き合ってた人からもらった物なんて、なんで今まで持ってるの?」と聞いても、聞く耳持たずの状態。
このエピソードだけでなく、私は妻と交際し始めた当初から彼女のことを「個性的な女性」だと感じていました。
彼女は、一般的によく女の子たちが「好き」だというブランドやアクセサリー、キャラクターなどには一切興味はなく、いつも自分の興味のある物や人にのみ関心を寄せていたのです。
私自身、そんな変わり者ってところが魅力に感じたこと、そして、いつも親切に接してくれてたこともあり妻との結婚を決めました。
今振り返って感じることは、彼女のそういった特殊な「こだわり」は発達障害の特徴のひとつなのだろう、ということです。
特徴2:ひとつのことが気になるとすべてが投げやりになってしまう
大切にしていたものを失くしてしまった日以降、妻は食事もろくに喉を通らなくなってしまい、疲弊し、集中力もなかなか続かないようになってしまって仕事でミスを連発してしまうようになっていったのです。
そのことがショックだったこともあり、「お仕事、やめても良い?」と何度も私に聞くようになっていきました。
私は妻がとても仕事を続けることができる状況ではなさそうに見えたこと、期間社員のためあと数ヶ月で期間満了になることもふまえて私は彼女に「退職してもいいよ」と答えました。
彼女は2月に退職した後も、宝物がなくなってしまったことと仕事でミスをしてしまったことがなかなか忘れられず、引きこもり状態になってしまいました。
1月以降、家事が手につかなくなり、口にする話題はいつも宝物がなくなってしまったことばかりでした。
情緒不安定の妻-医療保護入院へ
退職後、しばらくして妻の考えが悪い方向に激変していきました。
毎日「こんな状況になったのはお前のせいだ!私のイラストを返せ!」と私に浴びせるようになり、そのつど必死になだめようと試みますが全く落ち着かず。
私が会社に行ってる時も情緒不安定になってしまうためか、彼女は炊飯器を壊し、お皿を何枚も割り、また、自分も殴られることがたびたびあったためホテルやインターネットカフェに逃げ込んで一夜を過ごしたこともありました。
妻の両親に何度も相談しましたが、いつも「うまくやってくれ」の一言のみ。
症状が日に日にひどくなってきたこともあり、8月初旬に病院へ連れていくことにしました。
妻と私が入れ替わりで医者と問診した結果、医者曰く「妄想癖の疑いと一時的な記憶喪失の症状がみられる」ことから妻を「医療保護入院」させることに。
夫である私への危害が大きいことが、医療保護入院の最大の決め手でした。
💡医療保護入院とは
「医療保護入院」とは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律33条で定める入院形態のひとつです。
- 入院を必要とする精神障害者
- 精神障害者本人に自傷他害の恐れがない
- 家族から入院の同意が取れる
これらの条件が満たされたときに、患者を半強制的に入院させることができる制度です。
平成27年には、実に17.7万人がこの制度で入院をされています。
これは、精神科病院に入院する患者の約40%に相当する数です。
妻の場合、医師との面談で精神障害の疑いがあったことと、自傷はなく私以外の人に危害を与えてなかったので、私の同意のみで入院することになりました。
私のように、自分だけでは手に負えないという場合は勇気を出して医療機関を頼ってみてください。
夫婦関係維持やお互いの健康のためにも、専門家の手を借りることも時には必要です。
基本的に内弁慶!?外あたりは問題無し!
入院中、病棟内での妻の人当たりは良いと看護師から聞きました。
他の入院患者とのコミュニケーションを見ても、特に問題は無いとも。
ただ、いつも私が面会に行くと個室につれていかれ、そこで罵声を浴びせられるという流れができあがってしまっていました。
病棟内はスマートフォンやパソコン等外部の情報を入れることができる機器の持ち込みは禁止されていましたが、患者の人権を尊重するということで公衆電話を自由に使える環境でした。
その為、連日私のスマートフォンに公衆電話からの着信が多い時で100件近く入ることも。
仕事中で出られない時もあり、しびれを切らしたのか会社にまでかけてくることも何度もありました。
そのたびに、会社を早退させてもらって病院へ通う日々……、正直気が狂いそうになっていきました。
面会の際に、本当は持ってきてはいけない妻のスマートフォンを持ってくるように強要され、しぶしぶ持っていくこともありました。
そのスマートフォンを使い、友達と遊ぶ計画を誰にも相談せずに立てて「明日、友達と遊ぶために外出許可出したから迎えに来て」と急に言ってきたときは本当に困りました。
過去のことについて泣きわめかれ、こちらが運転中にも関わらず殴られたり物をぶつけられたり、爪で引掻かれたりと、送迎中も大変でした。
そんなことが数週間続き、気づけば入院して1ヶ月半が過ぎた9月中旬のある日のこと。
医者から病室に呼び出され、そこで「病棟内での様子と検査をした結果、特に異常は見られませんでしたので、退院の具体的な日時を決めたい思います」と衝撃の一言を言われたのです。
正直、私は「これだけ私や家族、さらには職場の人間すら迷惑を被っているのに異常なしというのはおかしいのではないか」と戸惑いましたが、そのまま翌週の9月末には退院することに。
自宅に妻を連れて帰ると、今まででにないくらい泣き叫び、投げたスマートフォンによって壁と扉には無数の穴が空いてしまいました。
妻は家事は一切せず、掃除・洗濯・朝食から夕食までのご飯の準備から買い出しまで私がひとりですべてこなす日々が続きました。
エスカレートする妻の暴走と発達障害
暴れる妻をなだめながら、ひとりで家事をこなす日々がしばらく続いたある日、ついに事件が起きます。
あまりにも酷く暴れる妻にいつもより強めに注意すると、彼女は泣きわめきながら「夫からDVを受けた」とウソをついて警察に通報してしまったのです。
警察には丁寧に事情を説明し、その日私はホテルに一泊することに。
翌日家に帰ると、さすがにやり過ぎたと反省の表情の妻。
その日は二人落ち着いて休むことができましたが、翌朝、くたびれ果てた私は起き上がることができなかったのです。
そのまま一週間、毎日会社に電話して休みをいただき、私自身が家から出られなくなってしまったため「これはいかん」と実家に助けを求め、妻を自宅に一人残し、私は実家でしばらく休養することにしました。
家族に言われてから気づいたのですが、私は誰が見てもわかるくらいにやつれてしまっていたそうです。
家族に精神科のある病院に連れて行ってもらった私は、医者から「うつ病」であると診断されたのです。
医者に今までの妻の言動や行動の経緯を説明すると、「奥さんは大人の発達障害だね。奥さんのカルテも作っておきたいくらいだ」と言われました。
その『大人の発達障害』が『注意欠如多動性障害(ADHD)』、『自閉症スペクトラム(ASD)』、『アスペルガー症候群(AS)』『パーソナリティ障害』なのかは診断していないため、定かではありませんが、医者曰く『大人の発達障害』は「見方によっては誰でも持っている性格・個性の一部である」とのことでした。
実家で休養をとっているときも、妻からの電話は絶えずかかってきました。
二週間ほどたった日、妻が突如「寂しいからどうしても一緒に生活したい」と実家に来ましたが、「まだ本調子ではないからもうしばらく様子を見させてくれ」と伝えると取り乱すことなく納得してくれました。
その後私自身の体調も良くなってきたので自宅に戻ってみると、安堵する表情の妻が出迎えてくれ、半年以上見ることができなかったその表情に私は涙が出そうになりました。
調子の良くない私は、これまでと同じように自分だけで炊事洗濯をこなすのではなく、妻にも手伝ってもらえるようお願いしていくことにしました。
はじめのうちはなかなかノリ気になってくれませんでしたが、私の調子が以前のように良くはないことを伝えつつ何度もお願いしていくと、徐々にではありますが手伝ってくれるようになりました。
現在も私は仕事を休養中、妻は無職の状態の半共倒れ状態であります。
でも、私は妻のことを憎んではいません。
今後気持ちが落ち着いてきたら、妻には発達障害の診断をもらうために受診をすすめていこうと考えています。
- 妻は精神的ショックがきっかけで情緒が不安定になってしまったこと
- 妻の不安定を取り除くためのコミュニケーションにおいて、夫婦間でミスマッチが生じてしまったこと(これが大人の発達障害)
- 妻は悪意をもって今までの異常ともいえる行動を起こしたわけではないこと
- 妻自身非常に苦しんでいることを理解すべきだと思ったこと
妻のことを考えるあまり、自分自身まで精神的に落ち込んでしまい、疲弊してしまったことはよくなかったと反省しています。
私は結果的にうつ病になってしまってから妻の発達障害に気付きましたが、あまりにも常軌を逸している行動を配偶者がとっている場合、すぐに医療機関を頼ることを検討してみてくださいね。
まとめ
大人の発達障害への対策としては、「決して、自分ひとりだけで頑張りすぎてはいけない」こと。
何故なら、自分が不調になってしまったら共倒れの危険性が増すためです。
実際、私は自分ひとりでなんとか妻を助けよう、この問題を解決しようと頑張りすぎてしまった為に、自分も精神を病んでしまいました。
また、これは妻が入院中の話ですが、看護師さんから「ご主人自身が頑張りすぎないように」とのアドバイスも受けていました。
あなたとパートナーを心配して見てくれてる人は大勢います。
自分ひとりだけで頑張る必要は一切無いんです。
むしろ、あなたひとりだけが頑張って病気になってしまっては、周囲の人達に負の連鎖がどんどん拡散してしまいます。
自分ひとりだけで頑張りすぎないためにも、実家に食事の手配や洗濯のお手伝いをお願いしたり、できる限り本人に作業を手伝ってもらうようにお願いをしてみたりすることも良いですよ。
また、配偶者の前でこちらの具合が非常に調子が良くないことをアピールすることで、相手も心配して少しずつ行動してくれるようになっていきます。
最後にお伝えしたいことがあります。
発達障害のある配偶者と接することに疲れた時には、自宅以外のところでひとりで休むようにしてくださいね。
少しくらい息抜きしたって良いのです。
そのほうが、また頑張ることができるのですから。
パートナーのことを第一に考え、がんばっているあなたのことを悪く言う人なんていませんので大丈夫ですよ。
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