1歳半健診や3歳児健診で課題がクリアできず、保健師さんから専門病院での受診を勧められて迷っていませんか。
3歳で長女が「自閉症」の診断を受けた私には、受診を迷う親御さんの気持ちは痛いほど分かります。
でも、子どもの障害の有無は、親御さんが迷っていても何も変わりません。
「子どもの成長は時間が解決してくれるもの」と思いがちですが、子どもには伸びる時期やきっかけなどがあるのです。
「安心な環境で子どもの自立をサポートしたい」と言う気持ちがあるなら、一歩前に進んで今できることを精一杯してみませんか。
まず、幼児期の段階でできる子どもの環境作りには、療育手帳の取得・療育・保育施設などの選択があります。
ここで親御さんが子どもにとって良い選択ができれば、子どもの伸びる時期に急成長のきっかけを与えられるかも知れません。
療育手帳の取得・療育・保育施設などを選択するポイントを、私自身の経験談を交えながらお伝えします。
最後まで読み終えた時に、親御さんの迷いが消えて前進できたら幸いです。
療育手帳を取得するかしないか?考慮したいポイントは3つ
発達障害児を育てる親御さんが幼児期に悩む選択と言えば、まずは「療育手帳を取得するかしないか?」でしょう。
子どもの見た目は周りの子どもと同じであり、また歩いたり走ったりもできるため、親は「そのうち喋るようになる」「集団生活を始めれば自立できるようになる」と信じてしまいがち。
私自身「集団生活を始めれば出来るようになるよ」と言う、周りの優しい言葉にどれだけ振り回されてきたことか。
「このまま子どもを幼稚園に入れても大丈夫なのだろうか?」という、長女が2歳になってから抱え始めた不安は、結局幼稚園に入るまで続きました。
そして、年中になった今は小学校への就学について不安を感じています。
発達障害は病気ではなく障害の1つで、成長しても決してなくなることはありません。
今ある悩みは今だけではなく、今後もずっと続いていく可能性が高いため、子どもの発達面が気になる場合は3歳児健診を目安に行動を起こすことをお勧めします。
1歳半~2歳半くらいで診断名が付かなくても、3歳の誕生日を迎えて初めて診断名が付く場合は多いものです。
そして、3歳の時点でできる1つの選択が、「療育手帳を取得するかしないか?」です。
本当に子どもに療育手帳が必要なのかどうか、私は次のような点をポイントに決断しました。
- 専門機関としての見方
- 療育手帳を取得するメリット
- 将来的な可能性
この3つのポイントを経験談を踏まえて、具体的に説明します。
私が療育手帳を取得を考えたきっかけ
私が療育手帳を取得しようと思ったきっかけは、長女が2歳10ヶ月から通い始めた療育の先生からのアドバイスでした。
「療育手帳を取得したほうがいいですよ。現時点で集団生活に支障が出ることは間違いないし、多分軽度か中度の判定にはなるかと思います。療育手帳を取得すると手当も受けられるので、今後の育児支援に役立てられると思いますよ」
療育の先生から受けたアドバイスの内容は、このようなことでした。
長女が医師から「自閉症」の診断を受けたばかりだったので、療育の先生のアドバイスが私の背中を押してくれました。
発達障害は見えない部分に障害が隠れていて、見た目でも内科的な検査・画像検査などでも障害が分かる訳ではありません。
医学的根拠を説明できない障害だからこそ、療育手帳で発達障害の有力な証明を手に入れたいと思いました。
周りの親御さんの中には「周りの子と同じように育てたいから、療育手帳の取得は考えない」と言う人も数名いました。
私の親戚も世間体からか、療育手帳の取得には猛反対でした。
でも、私はむしろ療育手帳がないがために、将来的に起こりうる問題のほうが心配でした。
「全体的な指示が届かず、集団に取り残されてしまう」
「普通の子として扱われ、問題点があっても性格的なものとして見過ごされてしまう」
問題に直面している子どもは私以上に大変な想いをするだろうと考えると、落ち着いてもいられませんでした。
そこで、療育手帳の判定を受けてみた結果、「A判定(重度知的障害)」で療育手帳を取得することができました。
療育の先生の予想を超える重度の判定でしたが、この判定のお陰で子どもが安心して幼稚園生活を送れていると満足しています。
私が感じた療育手帳のメリット
私が療育手帳を取得して感じたメリットは、以下の8点です。
- 幼稚園で加配(専任で補助してくれる先生)が付いている
- 私立幼稚園の補助金増額(A判定で9万円くらい増額)
- 所得税控除の増額(A判定で7万円は還付があったと思います)
- 特別児童扶養手当(A判定で月額51,700円、B判定で月額34,430円)
- S市の場合は商品券(A判定で年額48,000円、B判定で年額36,000円)
- 在宅重度障害者手当(A判定のみ月額6,750円)
- 自動車税減額(A判定のみ)
- 高速道路の利用料が半額(A判定のみ)
2019年10月から幼稚園が無償化されるので、(2)に関しては今後は関係なくなります。
他の手当に関しては世帯所得が関係しているので、療育手帳を取得する前にチェックしておくと検討材料になります。
ちなみに、私の家では世帯所得が一般家庭よりもやや低めで、所得制限はありませんでした。
ただ、長女の場合は3歳で「A」、5歳で「B」と判定が変わったので、手当や税金の金額がだいぶ変わりました。
今年度の②と③に関してはまだ不明で、(4)と(5)は減額、(6)と(7)と(8)は無くなりました。
少し寂しい感じがしますが、療育手帳で見る子どもの成長から(1)のメリットも十分に感じました。
療育手帳には金銭的なメリットも多いのですが、お金では得られないメリットも大きいです。
療育手帳を取得するかしないか迷っている親御さんは、主に次のようなポイントから検討してみることをお勧めします。
- 保育園や幼稚園で加配は必要か?
- 手当はどのくらい受け取れそうか?
特に加配が付けやすいというメリットは、集団生活を送る子どもにとって重要なポイントです。
子どもの保育園や幼稚園での生活をイメージして、そこで起こりうる問題を想定しながら良い道を検討できるのがベストです。
幼児期の療育手帳の判定は変わる可能性が!
「発達障害は病気ではないから治らない。だから、療育手帳の判定も基本的には変わらない」とよく言います。
確かに、その通りです。
「過去の判定時よりも、明らかにできることが増えた」
それだけでは不十分で、年齢の平均値にどれだけ近づけるかがポイントなのです。
年齢とともに判定のレベルも上がるので、療育手帳の判定を変えることは難しいです。
でも、発達障害児が急激に成長する可能性、急激に変わる可能性を持っていることも確かです。
療育手帳の判定は100%でもなければ、一生を保証するものでもありません。
数年ごとに更新していれば、判定が変わる子どもが何人かいてもおかしくないと思いませんか。
もし療育手帳の判定が変わるとしたら、主に次のようなことが関係しているのでしょう。
- 幼い頃の判定ミス
- 療育の専門的な訓練
- 保育園や幼稚園での集団生活
発達障害の可能性を疑った時、成長の目安として母子手帳にある年齢ごとのチェック項目を参考にする親御さんは多いでしょう。
実は、母子手帳のチェック項目を全体の8割以上の子どもがクリアしているのです。
ただ、残りの2割に該当しているからと言って、必ずしも発達障害と言う訳ではありません。
私が過去に聞いた話では、「3歳で発達面の心配をしていたら、5歳になって急に喋り出した」なんて言う健常児もいました。
医療機関のセミナーで、「私が今までに見てきた子どもの傾向としては、喋れるようになる子どもは大体小学校に上がるまでに喋り始めているかな」と言う話も聞いたことがあります。
子どもの成長ペースには個性も関係ありますが、小学校に上がるまでの幼児期の過ごし方も大きく関係しています。
長女の療育手帳の判定が変わったことで、幼児期の過ごし方がどれほど重要なものか実感しました。
3歳の誕生日を迎えて、すぐ受けた判定は「A」でしたが、2年後に5歳の誕生日を迎えて、すぐに受けた判定で「B」に変わりました。
3歳のA判定だった時は、次のような点から厳しい判定が出たようです。
- 意味のある単語が1つも話せない
- 1対1の指示さえも通らない(身振りを交えてもダメ)
- 担当者が説明しても積み木が積めない(最終的には積み木を遠くに投げた)
- 服の着脱ができないし、靴の脱いだり履いたりもできない
- スプーンやフォークが使えないし、手づかみ食べもできない
- コップで飲めず哺乳瓶を使っている
一方、5歳のB判定が出た現時点では、問題点がだいぶ減りました。
- 単語が増えたが言葉だけが独り歩きしている(会話が成り立たない)
- 1対1で身振りを交えた指示なら通るが、全体的な指示は通りにくい
- 全体の流れを見て行動するが、変化があると付いていけない
- スケジュールが決まっていない行動は、指示を出さないと動けない
5歳の判定を受ける時、担当者から念を押して聞かれたのが「身振りを交えてでも、指示を出せば動けるんですよね?」でした。
A(重度)・B(中度)・C(軽度)の判定は、以下のようなことが目安になるからでしょう。
- A判定⇒日常生活で常に介助が必要
- B判定⇒日常生活で部分的に介助が必要
- C判定⇒何とか日常生活を送れる
「指示を出さなければいけないので、日常生活に介助が必要。でも、指示を出した後は、介助なしでも大丈夫」だからこそ、娘は「日常生活で部分的に介助が必要な状態=B判定」とされたのでしょう。
3歳から5歳までに変わったことは、療育での専門的な訓練、幼稚園での集団生活です。
幼児期は集団生活による刺激を受けやすい時期と言われています。
療育手帳の判定が変わったことで、「療育も幼稚園も子どもにとって、良い選択ができて良かった」と改めて感じました。
どんな療育に通うか?私が療育に期待した2つのこと
療育手帳の取得を考えている親御さんには、既に子どもを療育に通わせている人も多いでしょう。
療育は、発達に遅れのある子どもが日常生活で自立できるように訓練を受ける場です。
小学生から通える施設は多いのですが、未就園児が通える施設が少ないのが現状です。
でも、中には早くて1歳半から、長くて中学・高校まで通える施設もあります。
療育の先生とは保育園・幼稚園・学校よりも長い付き合いになる可能性があるので、先生との相性は大切です。
- 親御さんが気分良く子どもをお任せできそうか?
- 子どもが楽しく課題に参加できそうか?
長女は私でさえ視線が合いにくかったので、「視覚に訴えるほど楽しい課題があること」も重視しました。
また、地域によっては、形態(母子通園か預かり型か)も選択できます。
未就園児の場合は母子通園が圧倒的に多く、担当の保健師さんからも母子通園を勧められることが多いです。
それでも最終的な判断は、親御さんに委ねられています。
先に挙げたポイントを踏まえながら、子どもにとって最善の道を選択してくださいね。
ここでは私が母子通園と預かり型、両方の療育を利用した経験談を交えながら、それぞれの療育の特徴をお伝えします。
私が母子通園で実感したメリット
長女が2歳10ヶ月の時から数ヶ月通った、初めての療育が母子通園のAでした。
見学したのはAだけだったのですが、私がAに通うことを決めたのは次のようなメリットからでした。
- 車が運転できない私でも通える(最寄り駅まで徒歩15分⇒電車3分⇒駅から送迎有りで車で5分)
- 少人数制(4~5人)で先生の目が行き届きやすい
- 親子で通うことで自分も専門的な育児方法を学べる
- 古くからある療育で地域の保育園や幼稚園の方針に詳しい
実際にAに通ってみて1ヶ月もしないうちに、スプーン・フォーク・コップが使えるようになりました。
言葉に関しては全く変化がなかったのですが、Aには数ヶ月しか通えなかったので仕方がないと思いました。
ちなみに、同じクラスの親御さん数人に話を聞いたところ、通い始めて半年くらいで喋るようになったそうです。
療育で言葉を伸ばすためには、子どもが先生との関係を築くことも大切なのでしょう。
それから、Aの先生には幼稚園の願書を貰う前に、就園相談にのってもらいました。
「Nちゃん(長女)はのびのび型の幼稚園よりも、一日の流れがきちんと決まっている幼稚園の方がいいと思うよ。9月から願書の配布が始まるなら、夏休み入る前に問い合わせたほうがいいよ」
細かい点までアドバイスを頂き、無事希望していた幼稚園に入園することができました。
また、医師の診察を受けること、療育手帳を取得することなども、Aの先生にアドバイスしてもらいました。
Aに通っていなかったら、今頃長女はどうなっていたことか……。
療育を受けずに私1人で抱え込んでいたら、医師の診察や療育手帳の取得がもっと遅れていたかも知れません。
今通っている幼稚園にも、入れなかったかも知れません。
私が預かり型で実感したメリット
私が数ヶ月で母子通園の療育Aを辞めることになったのは、次男の妊娠が分かったからでした。
母子通園はメリットも多いのですが、私にはこんなデメリットもありました。
- 未就園児(当時10ヶ月)の長男も連れて通わなければならなかった
- 通園に手間がかかる
母子通園は基本的に子どもは親御さんが見るスタイルになっているため、療育の活動中は長男をあやしながら、同時に多動の長女も押さえつけながら活動に参加させていました。
このような療育通いを続けていたからか、妊娠中のトラブルを起こしてしまいました。
医師の自宅安静の指示があって、Aを辞めることになりました。
でも、長女にはまだまだ学ぶことがたくさんあると思ったので、地域の担当保健師さんに相談してみました。
すると、「預かり型のBはどうですか?ご自宅から近い場所にありますよ」と、Bを紹介してくれました。
他にも2つ紹介してくれた施設もあったのですが、Bだけを見学して即決でお願いすることにしました。
- 保育士さんが多くて子どもだけで通える
- 自宅まで送迎付き
- 給食とおやつ付き(1日150円)
- 知育や工作、運動、音楽などカリキュラムが充実
- 遠足やイベント参加などの外の活動も有り
こんなにいい条件の揃った児童発達支援があるのには、非常に驚きました。
Bなら、今度こそ私の都合で辞めさせることなく、子どもに学習に専念してもらえそうだと感じました。
実際に幼稚園に行くまでは週に5日通い、長期的に休んだのは私が次男を里帰り出産する約2ヶ月だけで済みました。
幼稚園に通い始めて5歳になった今は、週に2~3回放課後教室、土曜・祝日のデイサービスで利用しています。
ちなみに、幼稚園帰りに利用する際は、Bの先生が幼稚園までお迎えに行って、数時間の活動後に自宅まで送ってくれます。
Bに通った長女の成長はと言うと、言葉・着替え・トイレなど色々な面で劇的に変わりました。
- 言葉⇒6ヶ月通って「バイバイ」が言えるように。単語のみの指示も少し通るようになった。
- 食事⇒こぼさずにコップ飲みできるようになった。スプーンやフォークが上手になった。
- 着替え⇒シャツなら「頭を入れる→腕を入れる→下の部分を伸ばして整える」の分割動作で指示すれば着れる、ズボンなら「足を入れる→ズボンを上げる→ウエストの後ろ側を上げる」の分割動作で指示すれば着れる、靴下と靴が履けるようになった。
- トイレ⇒トイレに連れていけばおしっこができる。でも、トイレとトイレの間(1時間以内)におしっこを漏らしてしまう。
預かり型のBのサポートは子ども1~2人につき先生が1人で、きめ細かく心強く感じました。
他の子どもと同じ給食やおやつを食べることで、食事面の成長もアップしやすい環境になっています。
運動や体操の活動は運動機能を高めるだけでなく、注意力を養う効果もあります。
例えば、平均台だと台を見ながら落ちないように、注意して歩くと言う訓練になります。
親離れして生活できる点でも甘えが減って、だいぶ長女の自立心が磨かれてきたように感じています。
どんな保育施設に通うか?保育施設の条件はクリアできている?
幼児期の過ごし方は、子どもの成長にとても大切ですよね。
幼児期に健常児の多い保育園や幼稚園で過ごすことは、ただ、保育施設には条件付きのところもあり、必ずしも希望が通る訳ではありません。
- 両親ともに働いていること
- 入園前にプレに参加していること
- 日常生活面で自立していること
保育園だと(1)の条件が必要なことが多いのですが、交渉次第では入れる場合もあるようです。
(2)は競争率の高い幼稚園だと、絶対条件になっていることがあります。
また、(3)は施設によっては多少は大目に見てくれるところもありますが、明らかに先生や周りの子どもに迷惑をかけてしまうだろうと思われることに関しては、事前に相談しておいたほうが安心です。
例えば、「1人で食事ができない」「落ち着きがない」「おむつが外れていない」「言葉の発達が遅れている」「集団行動が難しい」などです。
私の場合は就園の準備が8月終わり頃で、「もし入れる幼稚園が無かったらどうしよう」と焦りました。
結果的に希望していた今の幼稚園に入れたのですが、本当に運が良かったなと思っています。
できることなら入園の1年数ヶ月前くらいから、候補の幼稚園の競争率や入園条件はチェックしておくことをお勧めします。
では、私がどういう流れで希望の幼稚園に入れたのか、具体的な流れを説明しましょう。
医師のお勧めは保育園!それでも保育園を選ばなかった理由
長女が3年間過ごす保育施設の選択肢として、保育園を挙げたのは医師の勧めからでした。
- 保育園は保育を目的とした施設で、無理なく活動に参加しやすい
- 障害のある子どもには加配の先生が付いてくれる
- ⇕
- 幼稚園は教育を目的とした施設で、長女には活動の難易度が高い
- 幼稚園だと加配が付かないところが多い
医師が幼稚園よりも保育園を勧めてくれたのは、主に上記のような保育園と幼稚園の違いからでした。
私が「幼稚園ではダメなんですか?」と聞いたところ、「幼稚園は当たり外れが大きいよ」とのこと。
それでも、私は次のような理由から、保育園は選びませんでした。
- 妊娠中で暫く就職できる状態ではない
- 激戦区なので仮に就職したとしても近くの保育園に入れなさそう
- 一番近くの保育園でも徒歩15分はかかる
- 次男の里帰り出産で5月入園になってしまう
- できるだけ3年間同じ施設で過ごさせたい
核家族で年齢の近い子ども3人を育てるとなると、送り迎えに3人の子どもを連れていかなければなりません。
自宅周辺まで送迎してくれる幼稚園ならいいのですが、徒歩15分はかかる保育園までの送迎は考えられず、諦めてしまいました。
バス通園だけがメリットではない!私が教育系の幼稚園を選んだ理由
幼稚園を選ぶポイントは「のびのび型か教育系か?」、多くの親御さんはそう考えます。
それぞれの教育方針のメリットは、簡単に言うと下記の通り。
- のびのび型⇒自由度が高い
- 教育系⇒色々な経験ができる
どちらにもそれぞれメリットがあるので、子どもの性格・得意・不得意などで総合的に判断して選択するのが良いでしょう。
私はのびのび型のH、教育系のC、2つの幼稚園に問い合わせて園長先生と面接をしました。
📌のびのび型のH
長女は色々な所に視線が行って職員室内をフラフラしていました。
「食事も1人でできない」「着替えができない」「トイレもできない」「言葉が全く話せない」「全く指示が通らない」……こんな話をしたら園長先生も困るだろうなと、前から予想していました。
案の定、園長先生の顔は困った感じで、迷いのある答えでした。
「この幼稚園の入園は、ある程度自立していることが条件です。職員室は大事な書類もたくさんあるので、触ってしまうのも心配ですし。療育手帳の判定をした人はどういう基準でこの判定をしたのでしょう?もし入園を希望されるのでしたら、判定した人にサポートの方法を具体的に教えてもらいたいです」
やんわりお断りされているのだと分かりました。
私もこのまま無理にHに入園させたところでお互いにメリットは無いだろうなと判断したため「分かりました。お忙しい中お話の機会を頂き、ありがとうございました」とだけ言って帰りました。
📌教育系のC
私が一番に希望していた教育系のC。
園長先生が面接の時間を作ってくれたのは、実は願書の配布がスタートした日で始業式の日でした。
長女はHの面接の時と同じく、全く落ち着きがない様子。
正直「慌ただしい時の面接だから、またお断りされちゃうかも知れないな」と思っていましたが、園長先生の答えはビックリするくらい嬉しい言葉だったのです。
Hの面接の際に話したのとほぼ同じ内容のことを話したのですが、園長先生に全く困った様子が見られませんでした。
「この幼稚園にも同じような障害を持つ子がいますよ。よろしければ後で、その子のいる教室も見学してみましょうか。Nちゃんに関しては、1人先生を付けて別でカリキュラムを組みましょう。あとはお母さんさえよろしければ、10月に願書を出してくださいね」
Cの園長先生の様子には何の迷いもなく、始業式だからと言って慌てている様子もなく堂々としていました。
- 同じような障害を持つ子どもが在籍している
- 先生のテンションが高い
- 時間単位でカリキュラムが決まっている
- 園長先生に全く困った様子が見られなかった
- 園長先生の方から園内を見学させてくれた
Cの園長先生との面接でこれらの良さを感じて、この幼稚園に願書を提出。
実際にCに入園して今までの1年半で、長女は劇的に成長できました。
- 言葉⇒単語がだいぶ増えた、2語文も出るようになった、応答の指差しができるようになった、2語文の簡単な指示が通るようになった(会話の成立が課題)
- 食事⇒箸が使えるようになった(こぼさずに食べることが課題)
- 着替え⇒ポロシャツ・ズボンは自分で着れるようになった(肩ベルト付きのスカートが1人で履けない)
- トイレ⇒「トイレ」と言って、おしっこ・うんちができるようになった(お尻拭きと夜のおもらし卒業が課題)
ある程度は全体の流れを見ながら動けるようになったのですが、たまに「声掛け⇒行動」となることがあります。
それでも入園前と比較すると、長女は思っていた以上に変化しました。
療育手帳の判定が「A⇒B」に変えるくらい、年齢とともに高まる判定の難易度を乗り越えるくらい大きな成長です。
預かり型の療育Bに加えて、教育系の幼稚園で色々な経験ができたことが長女にとってプラスになったのだと感じています。
また、幼稚園では親子遠足・保育参観・七夕祭り・お誕生日会・運動会・お遊戯会など、親子で参加できるイベントもたくさんあります。
2ヶ月置きくらいにはイベントがあるので、幼稚園での子どもの様子が見られる点も大変メリットを感じています。
医師が「当たり外れが大きいよ」と言っていた幼稚園ですが、今はCに通ったことを大当たりだなと満足しています。
まとめ
私が長女の幼児期に選んだ道は、以下のようになりました。
- 母子通園の療育⇒育児方法・療育手帳の取得・幼稚園入園などのアドバイスが受けられた
- 療育手帳の取得⇒手当や幼稚園の加配などで、サポートの幅が広がった
- 預かり型の療育⇒充実したカリキュラムで、プレ幼稚園のような感覚で自立心を伸ばせた
- 教育系の幼稚園⇒色々なイベントや経験を通して、「できる」を増やせた
この流れでのサポートが療育手帳の判定を「A⇒B」に変えるほどの大きな成長に繋がったと思っています。
スタートラインがどうあれ、大切なのは「子どもが安心できる環境を選び、自立をサポートすること」です。
子どもの進路に悩んでいる親御さんも、子どもの「自立心の成長」を信じながら素敵な選択ができたらと思います。
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