【amazon評価】★★★★★★★
長男が低学年の頃、学校で何か問題を起こし、注意、指導しましたので、家庭でも話を聞いてくださいという電話がよくかかってきていました。
しかし、長男に「今日先生に何か注意された?」と聞いても「わかんない」とか「怒られたことは覚えているけど、なんでだったのかわからない」という返事が多々ありました。
学校での指導が本人には伝わっておらず、何を叱られたのかもわかっていないということですよね。
その時ちょうど、子育てについて、ほめ方の本が流行っていました。
そこで図書館で探してみたところ、この本を見つけました。
応用行動分析学は、ペアレント・トレーニングや、その基本となるABAなどの基礎となる心理学です。
心理学を勉強したことがない人でも、この本を読むと応用行動分析学の考え方を使って、子どもに接することができるという本です。
第一章で基本的な応用行動分析学の考え方を説明してくれるため、第二章からの事例の考え方がわかります。
第二章からは、子どもの気になる行動について、具体的なシーンでのほめ方しかり方がQ&A形式で解説されています。
着替え、偏食、ゲーム、買って買ってと泣く、ごほうびについてなど、毎日の生活の中で出てくる気になる行動、上手なほめ方と叱り方が解説されています。
第三章は、家庭での上手なほめ方について。
望ましい行動を身に付けるには、という副題がついています。
いつも顔を合わせている家族だからこそつい期待値が高くなりがちで、あれもこれもできるはずなのに、と褒めるのが難しくなってしまいませんか?
私もはじめのうちは、ほめるところなんてどこにあるのだろうと考えていました。
ほめ方、ほめポイントなどが解説されています。
第四章では、家庭での上手なしかり方について。
しかると怒るは違うことだと思っていても、つい怒った勢いで子どもに接しているところがあったため、心して読みました。
ふだんなら叱ってしまうシーンでも、応用行動分析学の考え方を使うと、ほめるシーンになることがあると書かれています。
命にかかわるような緊急性を要するとき以外は、ほとんどしからなくても良いようなのです。
やめてほしい行動にはしかるのではなく「無視」が効果的だと書かれています。
無視の仕方についても具体的に書かれていて、この本を読むことで効果的な対応をとることができます。
第五章は、教室でのほめ方しかり方の解説で、効果的なしかり方についてを知れるかと考えて読んだのですが、しからなくてもよい方法を学べました。
この本を参考にし、トークンエコノミーのシステムを利用して、できたら丸を付けるカードを学校で導入してもらいました。
毎日学校にいる間にできたら褒められることをいくつかリストアップして、先生がそれを見つけて○をつけてくれるようにしました。
これによって、よい注目をたくさんしてもらえることにつながり、学校は怒られるだけと感じることは減りました。
事例紹介の全ての章が、Q&A形式で解説してくれているので、目次から気になる部分だけを拾い読みすることもできます。
気になる事例だけ読みたいときには、この目次から読めるのは大変ありがたいですね。
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