【amazon評価】★★★★★★
次男が10歳ということもあり、この本を手に取ってみました。
自分の子どもに発達障害があると、将来のことが不安ですよね。
親は子どもより先に亡くなることがほとんどですし、子どもが将来一人で生きていけるのだろうかと心配になるのは皆さん同じだと思います。
私も、障害がわかった時に一番初めに考えたことがそれでした。
そのため、子どもが将来自立することを目標にこれまで子育てをしてきたつもりです。
しかし、その「自立」の定義が自分基準だったことにその後、気がつきました。
この本にもそれが書かれています。
「自立とは誰にも頼らずに一人で生きていけること」と思いがちですが、発達障害児は特に「できないことを誰かに頼む」ということも重要なスキルなのです。
自立の定義を子どものできることに合わせなければ、子どもはずっと自立ができないままです。
情報活用スキル、自己管理スキル、時間・スケジュール管理スキルなどの子どもが自立するために必要なスキルの教え方の紹介や、自立した生活を送るために必要な家事や社会的スキル、また自分の体調やストレスに対する気づきかたなどです。
目指すべき自立に向けて、子どものできることを、子どものペースに合わせて増やしていくための考えかたが60個紹介されています。
それぞれの子のできることを考慮したうえで、段階的に指導できるように、一つのことについてもいくつかの指導例が載っていて参考になります。
ここまでは、親や周りの大人が主導して身に着けさせることのできるスキルです。
それらを教えたうえで、思春期以降に子どもが自分自身で自分のことを考えるときのヒント、就職について。
また、障害のあるきょうだいをもつ「きょうだい児」のフォローについても書かれています。
そして、最後は親亡き後を含めた将来も考える、と締めくくられています。
子ども自身が相談出来る場所を作っておくことなど、重要なことが書かれています。
私は自分自身がいじめられて学校がつらかった経験から、子どもが学校以外にも居場所を持つこと、相談先を持つことを意識してきました。
子どもが、自分から「ここなら相談できる」「ここなら行ける」という場所を持つことで、子どものみならず親も楽になることができます。
そして、その選択肢は、私たち親がたくさん用意してあげる必要があるとも述べられています。
実際に、不登校気味の長男は、私が用意したいくつかの選択肢の中から自分で行く場所を選んで、自分で決めた場所には通えています。
自分が選択肢をたくさん用意するべきだと考えてしてきたことを肯定してもらったようで、この本を読むことで安心できました。
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