ADHDと投薬治療について考える~おとなの場合、子どもの場合~

ADHDと投薬治療

「ADHDの治療に薬をもちいる」……おとなであれば自己責任のもと、投薬治療を開始することも、あるいは断ることも可能ですが、子どもの場合はどうでしょうか。

親御さんの考え方次第であり、ADHDである子ども本人が投薬治療について判断し、イエスかノーを医師に伝えることはほとんどの場合ないでしょう。

投薬治療をスタートしたはいいが、薬を手放すことのできない人生になってしまった……という可能性もあるため、たとえ医師の勧めであったとしても、子どもへの投薬治療をおこなうかどうかは、慎重に考える必要があります。

今回は、ADHDにおける投薬治療について、おとなの場合と子どもの場合、そして二次障害になってしまったときの治療についてご紹介いたします。

この記事が、投薬治療を開始するかどうか迷っている人のお役に立つことができましたら幸いです。

※弊社では「発達障害やADHDは個性のひとつだという考えもあるため、たとえ医師が勧めたとしても、(子どもへの)安易な精神系の薬の服用は慎重になったほうがよい」という考えのもと、サイト作りをおこなっております。

ADHDに効く治療薬

医師_薬ADHDの主な特性である「衝動性、多動性、不注意」をやわらげるために、2017年現在、3種類の薬が病院で処方されています。

  • コンサータ
  • ストラテラ
  • インチュニブ

下記のように、いずれも脳内物質のバランスを調整する作用があります。

  • コンサータ:脳の神経を活性化させ、注意力の向上や行動・感情のコントロールを行いやすくさせる作用。
  • ストラテラ:集中力や注意力を高める作用。
  • インチュニブ:脳の情報伝達機能を助け、ADHDの中核症状である「多動性・衝動性・不注意」の症状を改善する作用。
  • ※いずれも医師の慎重な診断のうえで使用してください。

それぞれ下記のように効き方に違いがあります。

  • コンサータ:服用後に徐々に作用し、効果は12時間程度持続するため、基本的に1日1回朝服用する。
  • ストラテラ:コンサータに比べると、服用してから効果が現れるまでに時間がかかる(効果を感じるまでの期間は個人差はあるものの、およそ1~2ヶ月)。作用は穏やかであり、1日1回または1日2回に分けて服用する。
  • インチュニブ:非中枢刺激薬。コンサータだと強すぎる、ストラテラだと効果を感じない場合に勧められることが多い。1日1回服用。

医師が患者の特性・症状にあわせて、どれを処方するか判断します(定期的に休薬し、本当に効いているのかどうかを確かめることもあります)。

それぞれの副作用は下記の通りです。

  • コンサータ:口の渇き、食欲不振、吐き気、便秘、不眠、頭痛、体重減少 など。
  • ストラテラ:食欲不振や吐き気、腹痛などの胃腸症状、頭痛や眠気 など。
  • インチュニブ:眠気、血圧低下、頭痛、めまい、腹痛、食欲減退 など。

※服用中に攻撃的行動や敵意、悪い衝動にかられる等「おかしいな」と感じた場合は、すぐに医師に相談しましょう。

また、「薬を飲んでいるのに治らない……」といった誤解が生じないように、「投薬治療によって困っている特性の出方を調整することは可能だけれども、完全に治すことはできない」ということをよく理解したうえで使用してくださいね。

おとなの場合

おとなの場合すでに社会に出ている、あるいは18歳以上の場合(児童福祉法においての「児童(年齢が満18歳に満たない者)」に該当しない場合)子どものように療育や教育的支援を受けることができないケースが多いため、医師より投薬治療の開始を早期に勧められることがあります。

医師が患者の特性や症状、状態や体質に合うかどうかを考慮したのち、コンサータとストラテラのどちらがより効果的か判断して処方されるため、診察の際に自分の特性・症状や困っていること、服用中の薬の有無、アレルギーなどをしっかりと伝えることが重要です。

診察の際に慌てないように、ふだんから自分の特性や困りごとについてメモを取るようにしておくと、より正確に医師に伝えることができますよ。

例えば……

  • ミスが多い(同じようなミスを繰り返してしまう、細かいミスが多い)
  • 物忘れが多い(鍵をどこへ置いたかすぐに忘れてしまう、買い忘れが多い)
  • お金の管理が難しい(貯金ができない、衝動買いが多い)
  • 会議やミーティングが苦手(集中力がもたない、他人が話しているときに話し出してしまう)など

投薬治療により、上記の特性がある程度抑えられることによって、仕事上や私生活での困りごとが減り、働きながら生活することへの難しさがやわらぎます。

ADHDの特性からくるストレスから逃れることができ、毎日を前向きに過ごせるようになった人もいます。

下記は、実際に投薬治療を行っている人(おとな)の体験談です。

参考にしてみてください。

投薬治療を行っている人の体験談

📝[体験談1]コンサータ

自分は、飲んでいると「覚醒している」という実感があります。

頭の中がハッキリし、冴えることで自分自身を客観視することができ、ミスや相手への配慮に気が付くことができます。

効き目は、飲んでから30分ほどでカチッと始まり、約12時間でカチッと終わるため、残業が多い仕事をされている人には向かないかもしれません。

📝[体験談2]ストラテラ

コンサータのほうが即効性が早いと聞きましたが、(効き目が強いかわりに、肝臓に影響があるため)自分の体質には合いませんでした。

ストラテラは血中濃度を少しずつ高めていくため、効き目も少しずつだと感じました。

📝[体験談3]コンサータ

私はずっと悩んでいたのですが、コンサータを飲み始めて、世界が変わったように感じ、「こんなに世界って立体的だったんだ」と驚きました。

ただ、副作用で体重が一時ガクンと落ちてしまったことが少し怖かったです。

📝[体験談4]ステラトラ

仕事でのミスが多く、ずっと自分の努力が足りないと長く苦しんでいました。

飲み始めて「あれ?最近仕事で怒られないかも?」と感じる日が続きましたが、大きなミスをしてしまうこともまだあります。

まだ飲み始めて2ヶ月なので、これから長く付き合っていくことになりそうです。

📝[体験談5]コンサータ

仕事でのミスが多かったのですが、コンサータを飲みだしてからはミスがなくなり、また、以前は家事もできず、自宅は散らかり放題でしたが、徐々に片付けることができるようになりました。

薬の効果がなくなる夕方には疲れが押し寄せてきますが、それも心地よい疲労感だと思えています。

📝[体験談6]コンサータ

強い眠気がなくなり、やらなければならないことが驚くほどスムーズにできるようになりました。

集中力があがり、ミスが減り、また、色々なことに気が付ける(身なりや周囲の状況を冷静に考えられる)ようにもなりました。

反対に、副作用として食欲の減退を感じました。

効果が切れる頃に、激しい不安と焦燥感がありますが、私はとても生活しやすくなったと感じています。

また、コンサータは即効性があると感じました。

子どもの場合

親子子どもも、おとなの場合と同じようにお薬を服用し、特性の出方を調整することで生活がうまくいくようになり、本人に自信がつき、周りとの関係もよくなる、というケースもあります。

効いてるのか効いてないのかわかりにくいため、服薬を中断してみたところ、しばらくしてから子どもが荒れ始めてしまい、「きちんと効いてたんだ」と感じたという親御さんもしばしばいらっしゃいます。

投薬治療がうまくいき、お薬をもちいた治療がおとなになる前に終了することもありますが、中には、長い人生をお薬とともに歩んでいかなくてはならなくなってしまう場合もあります。

お子さんにお薬を飲ませるかどうかは、親御さん次第です。

成長途中のお子さんの人格形成や人生に、親御さんのこの判断が大きく影響してくるため、「医師に勧められたから……」という理由だけでその場で投薬治療をスタートさせることを決めてしまうことは避けるほうがよいでしょう。

薬には副作用もあり、また、親御さんがしっかりと服薬管理をしなければならないため、主治医とよく相談し、納得したうえで投薬治療を開始するかどうかの判断をしてくださいね。

下記に、投薬治療をしない場合の選択肢について書いていきます。

投薬治療をスタートさせる前に、他の方法もあるのだということを知っておくと「どれが我が子に合っているか」判断する材料になりますよ。

「ADHDは個性のひとつだ」とする考え方

「ADHDは個性のひとつだ」とする考え方ADHDの治療法として「薬を使用する」という選択肢を選んだご家庭もある(「未成年に薬を使うことはよくない!」と言ってしまうことは簡単ですが、それを承知の上で薬を服用する道を選んだ、という場合)一方、「未成熟な子どもへの服用は慎重になるべきだ」とする医師の意見もあります。

ADHDは個性のひとつだと考え、投薬治療はおこなわずにその成長を見守り、必要であれば、後述の「療育」を受けさせる、といった選択肢もあります。

💡ADHDは先天性のものである

発達障害情報ナビADHDは生まれつきのものであり、本人の努力が足りないわけでも、育て方やしつけによるものでもありません。

「できないこと」があっても、それは決して、本人のせいでも親御さんのせいでもないのです。

  • 「できないことがある」という側面も含めて、すべてが自分自身である
  • 「できないことがある」という側面も含めて、すべてがその人自身である

発達障害児(者)当人も、その家族も、上記のことを忘れないでくださいね。

💡「あたたかく見守る」とは……

「発達障害児(者)を理解しましょう」「彼らをあたたかく見守り、支えていきましょう」とよく言われますが、それは決して容易なことではありませんよね。

下記のような問題が起こり、なかなかうまくいかないと感じることも……。

  • 目に見える障がいではないため、発達障害児(者)が何に困っているのかわかり難く理解しづらい。
  • 「まさか我が子が……」「自分が発達障害だなんてありえない!」といった【感情の壁】がある。
  • 発達障害児(者)本人とその家族の間で認知と思考と違いがあり、誤解が発生しやすい。

こういった問題を解消し、真に「あたたかく見守る」ためには、下記の三点が欠かせません。

  1. 知識として理解する。
  2. 発達障害児(者)の「そのままの姿」を受け入れる(相手基準の理解)。
  3. 実感として腑に落ちる(相手を受け入れられるまで腑に落とすことが重要)※発達障害児(者)同士のやり取りを実際に目で見て、耳で聞くことが近道となる。

本を読み、知識を得ることはとてもだいじなことですが、それだけでは足りないのです。

必ず、発達障害児(者)当人を見て、その当人基準の理解をするようにしてくださいね。

もしも、自分たちだけでは、真にあたたかく見守ることが難しい場合は、知識や受容のある人たちのグループ(市町村の保健センターや子育て支援センター、児童相談所や発達障害者支援センター、発達障害のある子どもやおとなのサポート支援を行う特定非営利活動法人の団体など)を頼ることが近道となります。

投薬治療よりも【療育】という選択

投薬治療をおこなわず、【療育】をおこなう、という選択もひとつの方法です。

療育とは……

発達障害児が社会的に自立することを目的としておこなわれる医療と保育のことであり、考え方としては、目の悪い人がメガネを使うことや、耳の聞こえがあまりよくない人が補聴器を使うことと似ています。

💡大きくわけて4種類ある【療育】

  • 理学療法:理学療法士による運動機能の発達を促す療育
  • 作業療法:作業療法士による手の運動や操作能力をアップさせる療育
  • 言語聴覚療法:言語聴覚士による飲み込み方(口や舌、喉の動かし方)に関する指導や、コミュニケーション能力や聞き取る力をアップさせる療育
  • ソーシャルスキルトレーニング:臨床心理士などの指導員の下、社会の中で生きていく上で必要なスキルを身につける訓練すること、また、人との接し方や集団生活について学ぶ療育

療育施設_検索療育を受けることのできる施設は、自治体の療育施設、民間団体が運営する療育施設、病院やサポート体制を整えている私立の学校など様々ですが、地域によって違いがありますので、各市町村のホームページなどで確認してくださいね。

一番身近で費用も安いところは自治体の療育施設(発達支援センター)ですが、最近ではソーシャルスキルトレーニングやグループワークを積極的に行っている特定非営利活動法人の団体もありますので、クチコミを読んだり、見学をして施設の人の話を聞いたりして、どの施設が自分たちに合っているか確認し、それぞれの「施設の色」を理解しておくようにするとよいでしょう。

また、発達障害児当人が保育所へ通っている場合、その保育所に「加配」の先生が在籍していれば、その先生のもと、ソーシャルスキルトレーニングを受けることができます。

💡療育は【自分たちらしい生き方】を見つけ出していくためのもの

親子療育は、脳内物質のバランスを調整する投薬治療とは違って、その効果には薬よりも大きな個人差があり、また非常にゆっくりとあらわれるものだということを頭に入れておく必要があります。

療育を受けることでADHDの特性のすべてがなくなる、ということではありません。

療育は、発達障害児当人の発達の特性や偏りなどを見極め、本人の苦手なことや困りごとへの対応策を見出し、克服・緩和していく、というものです。

また、発達障害児の家族が「どんなサポートをおこなうことができるのか?」を学んでいく場でもあります。

療育を受けることによって、困りごとへの解決策を見つけ、本人や家族たちが【自分たちらしい生き方】を見つけ出していく……それが療育の目的となります。

※ご参考に/「療育」について:【自閉症スペクトラム】施設へ複数通うと療育の効果は高まる?【療育】自閉症スペクトラム(ASD)の特徴と療育 (自閉症スペクトラム向けの記事ですが、『療育』について、その内容や施設についてなど詳しい説明が載っています)

最終手段として投薬治療を開始するという選択

投薬治療色々な療育施設をまわり、病院へも足しげく通っているが、「椅子に座ることもままならない」「医師に診てもらうことすら骨が折れる」という場合、投薬治療を選ぶこともひとつの手段です。

投薬治療をおこなうことで、本人が落ち着いて医師の診察を受けることができるようになるかもしれません。

「なるべく薬には頼りたくないけれど……」と、お薬をもちいる治療になかなか踏み切れない親御さんも多いと思いますが、ADHDの特性により、本人やご家族が療育へ通うことや通院すらもおっくうになってしまっては、負のループにはまり込んでしまう可能性が高くなってしまいますよね。

本人や家族の療育疲れや、あるいは本人が周りに過剰に適応しようとしすぎた結果、後述の「二次障害」へつながってしまうケースもあります。

そういった危険を回避するために、投薬治療をスタートさせることもひとつの手だと覚えておき、主治医とよく相談して慎重に決めるようにするとよいですね。

ADHDと二次障害

ADHDと二次障害投薬治療をおこなう理由として、「ADHDの治療として投薬治療をおこなうのではなく、ADHDにより二次障害をきたしてしまった人への治療として」というケースが挙げられます(ADHDの症状をおさえる薬ではなく、安定剤など、不安や緊張感をやわらげ、気持ちを落ち着かせる作用のあるお薬が処方されます)。

二次障害とは、ADHDの特性からくるストレスによって、体の不調、精神面の不調、問題行動など、心身に悪影響を及ぼす二次的な症状のことをいいます。

ネガティブな感情しか持てなくなってしまい、自宅に引きこもってしまうといったケースもあります。

ADHDを始めとした発達障害の二次障害は、本人が周りに合わせることばかりを考え、【自分】をおさえこむことによって(過剰反応)、本人の心が飽和状態になってしまうことから起こります。

本人は早い段階から違和感を持っている場合が多く、「自分には悪いところがある?」「どんな悪いことが?」と不安に思い、「変わらないと……」と焦るのです。

思春期に誰もが経験する【自分探し】の段階に、「うまくいかないのは自分が悪い」という思いから、スタート地点が「できないことばかりの自分」となり、非常に苦しい思いをしてきた人も多いのではないでしょうか?

「周りのみんなは簡単にできていることが自分にはできない」
「みんなと同じになりたい」
「自分は気持ちを口に出してはいけない」

……そんな思いを抱きながら学生生活を過ごし、社会に出たとき、色々な軋轢から心が折れてしまった、というケースがしばしばあるのです。

そういった場合に、一時的にうつ病の治療やパニック発作をしずめるためにもちいるお薬、安定剤などが処方されることもあります。

二次障害の治療として投薬治療をスタートさせるとき

薬安定剤やうつ病の治療にもちいるお薬を処方された際に、主治医から「半分や三分の一に減らして使用すること」と指示される場合もあります。

もしも指示がなくとも、発達障害者にうつ病などのお薬は効きすぎる場合があるため、主治医に相談の上、三分の一などに減らした状態から飲み始め、自分に合う量を探っていくことが大切です。

  • 落ち着かせる作用のある薬を飲んでいるが、効きすぎるため朝起きることができない。
  • やる気を出させる作用のある薬を飲んでいるが、興奮しすぎてしまう。

など、「効きすぎている」「おかしいな」と感じた場合は、すぐに主治医に相談し、量を減らすようにしてください。

「薬を飲み始めてから落ち着くようになった」「やる気が出てきた」と思えるまでに、少なくとも二週間はかかりますが、その間に少しでも気になる点が出てきた場合は、その時点ですぐに相談し、量を減らすことが肝心です。

自分に合わない量のお薬を飲み続けることで、二次障害の症状が悪化し、最悪「社会に出たいのに、どんどん悪くなってしまって悪循環」という状態におちいってしまうこともあるのです。

また、「良くなってきたからもう飲まなくてもいいか」と自分だけで判断し、断薬してしまうことも絶対にしないようにしてください。

自己判断での断薬は、お薬のおかげで安定していた気持ちが再び不安定になってしまったり、離脱症状をおこしてしまったり、投薬治療を始める前よりも悪化してしまったりする危険性があります。

インフルエンザにかかったときに処方されるお薬を、医師の指示した期間はずっと飲み続けることと同じで、二次障害になって処方されたお薬も医師の指示した期間は飲み続けるようにしてくださいね。

おとなの場合、子どもの場合

大人_子ども二次障害により生活に支障が出てしまっている場合に、前述のように安定剤などによる投薬治療を開始するという選択肢が出てきますが、こちらもやはりおとなの場合と子どもの場合では注意点が大きく異なってきますね。

おとなの場合は自分の生活リズムを考えたうえで医師と話し、どのような薬を飲むか聞き、理解することができます。

しかし、子どもの場合はADHDにおいての投薬治療のときと同じように、親御さんに決定権があることが多く、投薬治療を開始するかどうかは親御さん次第。

お薬の管理や「子どもに合う量はどのぐらいか」を探ることも親御さんの役目となります。

お子さんの状態を毎日記録し、異常行動や過眠症、あるいは睡眠不足になっていないかなど、観察を怠らないようにしなくてはなりません。

また、成長期にあたる時期に向精神薬を飲むことよる将来への影響や副作用についてなど、主治医としっかり話し合う必要があります。

💡ただ、「二次障害の症状がひどく、学校に行くことができない」「二次障害によって自暴自棄になり、暴力的行動が目立って、家庭内ではどうすることもできない」など、お薬をもちいることによってそれらの問題が解決する場合もありますので、「二次障害であろうと何であろうと、投薬治療は絶対にしない!」と頑なになるのではなく、まずは主治医とよく話し合い、相談をしてみてくださいね。

まとめ

親子今回はADHDと投薬治療、またADHDによる二次障害においての投薬治療について焦点をあて、記事を書きました。

医師によって見解や治療法はさまざまです。

おとなの場合は医師の意見を聞き、自分に合う治療法を探り、決定することが可能ですが、子どもの場合は親御さん次第です。

投薬治療をおこなうことは必ずしも「ダメなこと」ではありません。

その効果や危険性(依存など)、そして本人に合う方法かどうかを、色々な角度から考えてみてください。

また、【療育】という道を選ぶことも選択肢のひとつであり、そちらにも「合う/合わない」があります。

お子さんご自身の気持ちを確認しつつ、お子さん、親御さん双方にとって合う道を選ぶことが大切です。

投薬治療をスタートさせることでうまくいくことが増え、本人の自信につながり、生き生きとした毎日を送れるようになる場合もあります。

失敗を繰り返すことで育ててしまった「自己否定感」を、自信を積みなおすことで「自己肯定感」へと変化させることも可能になるかもしれません。

お子さんの年齢や生活環境、パターンなど、それぞれのご家庭によって選ぶ道は異なってくると思います。

色々な選択肢があることを知っていると、それらの中から自分たちに合う道を吟味し、【自分たちらしい生き方】を見つけ出すことができるのです。

ぜひ、「あれはダメ、これは無理」と決めつけてしまうのではなく、主治医と何度も話し合ったり、さまざまな施設を見学したり話を聞いてみたりしてみてくださいね。

ADHDである当人も、そしてご家族も、【自分たちらしい生き方】を見つけ、健常者とともにそれぞれがキラキラと輝くような人生を歩めることが理想だと私は思っています。

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