社会人になって発達障害の診断を受けた私の幸せな人生の見つけ方

社会人_発達障害

現在、様々なメディアで注目されている「発達障害」。

モデルの栗原類さんが発達障害であることを告白したり、TV番組のゴールデンタイムで発達障害の特集が組まれたりなど「社会問題」として取り上げられていますね。

筆者も発達障害の特性に悩まされ、苦しみながら生きてきた人間の1人です。

現在は、とある大企業の障がい者雇用で働きながら充実した人生を送っています。

私の経験が、ADHDや多動症・発達障害・注意欠陥多動性障害などの特性があるお子さんを育てる人々の参考になれば幸いです。

発達障害ってどんな障害?

発達障害ってどんな障害?発達障害とは脳機能の障害のひとつであり、100人に数人の割合で生じる先天的な障害です。

主な特性として、以下のものが挙げられます。

  • こだわりが強い
  • 人間関係を構築するのが苦手
  • 物事を覚えることが難しい
  • 得意・不得意の差が激しい
  • 他人の気持ちを汲み取ることが難しい
  • 「あれ」や「これ」などの曖昧な表現が分からない
  • 大きな音が苦手
  • 優先順位がつけられない

これらの特性が顕著に表れるが故に、周囲と馴染めずに孤立してしまうことが多く見られます。

しかし、発達障害は本人の特性と周囲の環境が上手く噛み合えば本人にとって幸せなものになるのです。

幼少期に特性や得意・不得意を把握した上で、その子が幸せな人生を歩めるように育てていくことが大切です。

子どもに自信を持たせること

発達障害_子どもに自信を持たせること筆者の経験上、発達障害児に対して「僕はやれば出来るんだ」という自信を持てる子どもに育てることはとても重要なことだと強く感じています。

発達障害者の多くは過去にいじめられた経験があり、また、色々なことで怒られて育ってきた経験から何事に対しても「こんなことも出来ない私は何をやってもダメなんだ」という錯覚にとらわれているケースが多いのです。

筆者も、幼少期から学生時代にかけて周囲から馬鹿にされて笑われることが多く、また、家庭でも不器用すぎることが原因で親から怒鳴られ続け、なかなか自分に自信を持つことができませんでした。

それでも大学を卒業することはできました。

「辛いけど楽しいこともたくさんあるんだろうな!」と社会人生活への憧れを抱いて会社勤めをするようになりましたが、仕事が全く上手くいかず精神的に参ってしまい、新卒で入った会社をわずか1か月で辞めてしまいました。

その後も転退職を繰り返し、社会人1年目で心も疲れ切り、社会でやっていく自信、将来に対しての希望もほとんど失ってしまったのです。

しかし、仕事もせず何もしないわけにはいきません。

「動き出さないと始まらない」と思い、社会人2年目からは「就労移行支援事業所」という、障害や病気がある人たちのための職業訓練校に通い始めました。

就労移行支援事業所では、SST(社会生活技能訓練)やワードやエクセルなどのパソコンスキル、ピッキングや書類作成などの軽作業といった充実した訓練があります。

過去の失敗や周囲からの叱責から自信がなくなっていた私は、1度失敗したら「もうダメだ」と諦めてしまう癖がついていました。

その癖を治すために、就労移行支援事業所のスタッフさんたちと共に「上手くいかないことをどうやったら乗り越えられるか」を考えながら訓練に励んでいった結果、成功することが多くなり、自信も少しずつ持てるようになっていきました。

過去とは違う考え方を身につけることで仕事も上手くいき、今では生きてることが本当に楽しいと感じています。

そういった経験から、上手くいかなかった時の対処法に加えて、大切なことは「成功したら、大げさすぎるほどにたくさん褒めること」だと筆者は確信しています。

お子さんを褒めることは、自信を持たせるためにはとても大事なことです。

成功したらたくさん褒めてあげ、お子さんの”自信”を育てていきましょう。

「こんなこと出来た自分は本当にすごい!」と自分で自分をほめることも教えるとさらに良くなります。

自信があればどんなことも乗り越えていけますよ。

学校などでいじめにあったら無理して学校に行かせなくてよい

発達障害_学校などでいじめにあったら無理して学校に行かせなくてよい発達障害児はその独特な雰囲気や運動や勉強面など集団生活を行う上で周りと違う部分がある場合に、いじめの対象になってしまいやすいです。

何も悪いことをしてないのに、いじめられてしまうケースもあります。

そういった周囲とのズレが原因で不登校や引きこもりになってしまい、自殺に追い込まれるケースも少なくありません。

今はフリースクールや通信制の高校などがあります。

いじめにあってつらい思いをし続けるくらいならば、学校へ行かないという選択や退学することを選び、新しい道へ進んでも何の問題もないのです。

そこから幸せになれる方法を探っていけばいいのですから。

周囲とのズレを感じたら早めに診断を受けること

発達障害_周囲とのズレを感じたら早めに診断を受けることどんな病気でも早期発見が大事であるように、発達障害も早い段階での診断を受けることがカギになってくると私は考えています。

私が発達障害の診断を受けたのは社会人になってからでした。

先に書いたように新卒で入社した会社での仕事が上手くいかずに退職し、転職を繰り返し精神的にも病んでしまったりと社会人1年目はボロボロでした。

「大学時代に診断を受けて、もっと早くに障がい者雇用で就職していれば」と悔やみました。

私と同じような思いをしてほしくないのです。

周囲とのズレを感じたり違和感を抱いたりしたら、なるべく早めに心療内科に通院し、診断を受けてください。

もしかしたら「発達障害の診断を受けたくない」と拒む人もいるかもしれません。

しかし、診断を受け、子どもと助け合って生きていけば人生は良い方向に向かっていきますよ。

診断を受けることは道をきりひらく第一歩です。

筆者は診断を受けてから自分の生き方を探していった結果として、適職とも言える会社で感謝しながら働けていますし、クラウドソーシングで楽しく副業を出来ています。

発達障害の診断を受けることは必ずしも悪いことばかりではありません。

確かに最初は病院に行き診察することに勇気が要りました。

けれど、通院して診断を受け入れて、「どうやったら幸せな人生を送れるか」を追求していけば、道は切り開けます。

子どもの得意なことを生かせる環境を見つける

発達障害_子どもの得意なことを生かせる環境を見つける発達障害を持った人はひとつのことがずば抜けて得意であるというケースが多く見られます。

スポーツ選手の中にも発達障害の才能を生かして偉大なる功績を残した人がいるのをご存知でしょうか。

それは、水泳のマイケル・フェルプス選手です。

「水の怪物」とも呼ばれ、オリンピックにおいてメダル獲得数1位という前人未到の記録を持っている彼はADHD(注意欠陥多動性障害)と診断されていたのです。

幼少期の彼はじっとして座っていることが難しいくらい落ち着きがなく、元気な子どもでした。

その有り余ったエネルギーを生かし7歳から水泳を始めました。

そして、9歳の時にADHDと診断されましたが、才能を見出したコーチと出会い、努力し続け、世界トップクラスの選手へと成長しました。

そんなマイケル・フェルプス選手が行っていたトレーニング方法は、「映像で自分の泳いでる姿を繰り返し見て研究すること」でした。

発達障害の特性である「同じことの繰り返しを好む」ことが成功へのカギだったのです。

その積み重ねが世界最強の水泳選手へと導いたと言ってもおかしくありません。

マイケル・フェルプス選手のように発達障害の特性がある人は、自分の特性を思う存分発揮出来る環境があれば、誰もが辿りつけない様な存在になれる可能性があります。

マイケル・フェルプス選手のような超人になれとまでは言いません。

得意なこと・向いていることを見つけて、その才能を生かせる環境を築き、自分らしい豊かな人生を送れるようにしてあげてくださいね。

その子の特性に応じて配慮や解決策を考える

発達障害_その子の特性に応じて配慮や解決策を考える発達障害児はその特性により、日常生活に支障をきたすことが多いため、それを軽くするためにも必要な配慮をしたり、特性をカバーしたりしてあげましょう。

発達障害の特性に合わせた配慮の例を紹介していきます。

✓忘れ物や物事を忘れる事が多い

前日にタブレットなどの電子機器やホワイトボードに必要なものを記して準備し、当日再びチェックする。

✓大きな声や音が苦手

叱るときに大きな声を出さないように注意し、激しい音が鳴り響く場所は避ける。

✓こだわりが強い

一旦落ち着かせ、物事を考える時間を与える。

✓曖昧な表現が分からない

「目の前にある黒いバッグ持ってきて」といったように、具体的な指示を出す。

✓優先順位がつけられない

「重要度の高さ」を明確にして取り掛かるように促す。

💡出来ないことは補っていく

「どうして出来ないの!」と怒るのではなく、出来ないことをアイデアでカバーしたり、一緒に解決策を提案したりする方法が最善策となります。

出来ないことにばかり目を向けて怒鳴っていると発達障害児の自信は失われていき、「何をやっても駄目な人間なんだ」という考えを持つようになってしまいます。

それよりも、出来ないことを克服した時に「よく出来たね!えらい!」と褒めること。

それは、子どもにとっても親にとっても良い刺激になりますよ。

さいごに

社会人になって発達障害の診断を受けた私の幸せな人生の見つけ方現在の日本において発達障害の特性を持った人たちに対して少しずつ理解が広がってきてはいますが、まだまだ風当たりは強いです。

「皆一緒ではなければいけない」という同調圧力が浸透してしまっているが故に、周りとは違う人は仲間外れにしてしまおうという考え方があります。

その圧力から逃れることは、悪いことでしょうか?

筆者の場合、発達障害の診断を受けてからの人生のほうが充実しています。

世間一般でいう「普通」から外れてから逆に、素直に生きることが出来ています。

他人と比較することもなくなり、これからの人生が面白くなりそうな予感と希望に満ちています。

発達障害であっても幸せになれます。

幸せになるために、お子さんが生まれてきてくれたことに感謝して、助け合いながら子育てをしていってくださいね。

家族で素敵な未来が築けることを心の底から祈っています。

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